「あなたの知らない空海と真言宗」歴史新書、山折哲雄・監修

 

そもそも最近まで「弘法大師」と「空海」を分離して捉えていたような体たらくなんですが(よくよく考えれば聞いたことはあったんですよね…、意識に上らなかった)、東寺を与えられ高野山を開き、あれ、なんかもう一つ与えられた寺があったよな? すみません忘れてしまったんですが、空海だとまた出てくると思うのでまたいずれ。
正直なところ、南都六宗にもさっくり、むしろ超越するような立場で最澄天台宗と共に受け入れられてるわ、大陸でも当時は難しかったはずのこと次々と成し遂げているわ、天皇からの特別恩顧みたいなものがあれやこれやとあるわ、真言宗が各地に伝播する時に土木工事の技術が一緒に伝わったのではないのかというのが各地の弘法大師の伝説ではないのか、ということだとすると、要するにそちらの技術も一緒に大陸から持って返ってきたって認識していいんでしょうか。
日本だと宗教施設と技術はわりと一緒になりがちなものの、大陸ではどうもそうでもないらしいです、ということは、別個にわざわざ持って返ってきたと。
それと、この本にはなかったんですが、修行の場として宇佐八幡宮関係の土地が挙げられていたんですが(いや、神社の記録の中に)、なにがどうしてそんなにも大量のコネクションの塊だったのかがよくわかりません。
あと多芸っていうか、なにかに食い込むと上り詰めるまでが異様に早い。
当人特に悪気がなさそうなんですが、ずっと修行歳月が長かった最澄さんがそれでも空海さんに教えを請い、弟子を遣わしてその弟子が取られてさすがに関係が悪化した、というのも、いくらなんでもわからないでもないな、という気持ちになるよね…。

 

てか、高野山が信長関係で焼かれてるとかなどの話が入らなかった、空海さん濃い。