『日本の美術69 初期水墨画』金沢弘・編

前にも確か…日蓮宗だったかな? 日蓮宗本願寺派の本を読んでいた時に祖となる僧侶の(師匠を必ず持っているので系譜でつながっていく)絵を連ねて描いて行く、という習慣が紹介されていたのですが、ここで禅宗で紹介されていたのも多分それと似たようなところだよね、禅宗の場合は僧侶が描いていくのが普通なんですがそういや日蓮宗の場合、誰が描くという観点ではなかったかな?
で、そういう習慣があるので自然に絵心が磨かれていった、というようなことが語られていたのですが、誰が描くかにもよるよな、やっぱり。
禅宗の場合は生活の全てが修行となりうるという方針がやっぱり大きかったんじゃないのかなぁ、という気もしないでもないな。
 
かつて東山文化の本を読んでいた時点でもそもそも水墨画というのが禅宗と共に足利将軍の庇護のもとで、最初はそれこそ中国からの伝来品の模写として発展していった、ということが語られていたので、ほぼ禅宗が出てくることは予想はしていたんですよね。
さすがに作品や初期の絵師という形で禅宗そのものの歴史が語られていく予想はしていなかったのでちょっと笑っていたんですが。
いつものことですが禅宗の本よりわかりやすかったね! うん。
初心者向けの本だと適当に時代をかっ飛ばして「わかりやすく」してくれるので連続性がないのでどうしても記憶中心になるというか、歴史そのものを読むのに慣れている人間にはむしろわかりにくくなっちゃうんですよね。
物を媒介にして歴史語る場合はそこまでわかりにくくもならないし、いっそ禅宗の歴史の本で水墨画を逆輸入するという手も…いやなんでもないです脱線しました。