「ありし日の玉電」RM LIBRARY-15、宮田道一/関田克孝

ありし日の玉電 (RM LIBRARY(15))

ありし日の玉電 (RM LIBRARY(15))

  • 作者: 宮田道一,関田克孝
  • 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング
  • 発売日: 2000/10/01
  • メディア: 単行本
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ページ数48pで中の写真は全てモノクロ(とはいえ、カラー写真あるのかなw よく見たら表紙も着色だよねこれ、“ペコちゃん”のカラー写真は見たこともあるので写された時代が古いのかなぁ)、値段は千円。で、まあ高いかどうかは当然主観にもよるのでしょうが、趣味が良い本だなぁとは思います。サイズのわりに丈夫だし場所取らないし。
タイトルとなっている玉電、というのは玉川電気鉄道、もしくはその会社が買い取られてのち、東急・玉川線と名乗っていた時代の共通した愛称で、基本的にはこの路線が廃止となって今の東急田園都市線と東急世田谷線(前者が事実上の地下路線で後者が路面電車)となるまではずっと戦中を通してそう呼ばれていて、長い間ありがとうと「お別れ」をされたのもその廃止の時だったのだとか。
個人的には渋谷行き路線であるかないかって結構な雰囲気の差になるような気もするのですが、都電荒川線とともに都心近郊に残る数少ない路面電車としてノスタルジーを誘う存在となっているそうなのですが、どうもいまいちピンとは来ない。
(私はどっちかというと路面電車の存在が昔の街並みを保存している、という言い方のほうが好きですねw 高速電車が街の近代化をもたらすなら逆も当然あるよね。)
この路線が生まれた1907年、明治39年というと第2私鉄ブームの真っ盛りでそもそも砂利輸送として生まれ、当時の私鉄の定番の副業だった売電事業の規模も小さくはなく、市内乗り込みのために市電と同じ軌間にレールを改軌、沿線に軍事施設を抱え、時代は戦争へと向かい続ける中、大山街道を新宿に次ぐ発展を見せた渋谷へと向かう路面電車が「大人しかった」かというとそんな気はしないというだけのことなんですがw


とはいえ、やっぱり路面電車は速く遠くには行けず、街並みは変わらないなぁ。