日本ノ宗教

「日蓮と一遍-予言と遊行の鎌倉新仏教者」日本史リブレット人033、佐々木馨

個人的には日蓮さんならともかく一遍さんに関しては思想部分ではなく(この人、実際思想っていう形で展開してたのかね? よくわからん、残してたものがちょくちょくあるらしいのは聞いているものの)、実際の活動周辺に関してを知りたいな、というつもりで手…

『日本の美術43 浄土教画』岡崎譲治・編

この本を読んだ時点で浄土信仰というような仏教の一群があるという認識だったので(浄土宗や浄土真宗などの鎌倉新仏教の辺り)、その辺の仏教絵画が出てくるのかな、と思っていまして、浄土真宗などだと子弟の関係などを絵姿にして大事に保存しているなんて…

「図説 地図とあらすじでわかる! 最澄と比叡山」池田宗讓・監修

ところで私、最澄さんと空海さんの時期をあんまりきちんと把握してなかったんですが、平安京を作った桓武天皇と同時代、ということでわかりました、むしろ比叡山延暦寺って平安京と平行して作っていた認識のほうが無難だし、空海さんに預けられた東寺は平安…

「寺社と芸能の中世」日本史リブレット080、安田次郎

猿楽に関してはこの本で語られているよりも少し前に独立し(形としてはもう少し前からあったろうけども、専門特化したのはこのちょっと前だよね確か)、この少しあとになると足利将軍などを筆頭に貴族の庇護を得つつ大衆化していったよ、ということのはずな…

「戦国と宗教」神田千里

ちょっと前に同じ著者さんの浄土真宗・本願寺派に関しての本を読んでいたので仏教の本かな? と思い込んで借りてしまったんですが、どちらかというとこの時代の神仏に関しての同時代人たちの態度や、新興宗教としてのキリスト教に関しての扱いなど、タイトル…

「古寺に秘められた日本史の謎」歴史新書、新谷尚紀・監修

神社に秘められた日本史の謎 (歴史新書) 作者: 新谷尚紀 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2015/02/05 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る このタイトルと表紙の「歴史を影で動かしていた!? 知られざる寺院の正体」という煽りの文章を見て気持ち良…

「一向一揆と真宗信仰」神田千里

とりあえずこの本を借りて来たメインの目的はがっつがつと戦国武将と対立することのある本願寺がよくわからないという部分だったんですが、正直、一向一揆も浄土真宗といまいち印象が一致しないし、本願寺もそんな感じという齟齬のような部分も気になっては…

「比叡山延暦寺-世界文化遺産」歴史文化ライブラリー、渡辺守順

私しばらくこの比叡山延暦寺がどこにあるのかがわかっていなかったんですが、それと、京都の土地周辺の事情を調べるといつも北が空白地帯のように描かれていることが多かったのでよっぽど堅牢な山なのかなぁ、と思い込んでいたんですが。京都関係のテレビ番…

「鑑真」人物叢書、安藤更生

一応鑑真という人の名前と渡来人だということくらいは知っているものの、小説のおかげだよありがたや、と言われていたのは若干否めない部分はあるかなー、という気もしないでもなく。正直この間なにかで見掛けるまで聖武天皇の時代で、東大寺の大仏開眼だっ…

「法然親鸞一遍」釈徹宗

法然はまず最初に出て来た浄土宗の祖で、当時は法然集団とか浄土信仰などとも呼ばれていたらしく、その中の最大派閥が親鸞の浄土真宗。一番異端だとされていたのが踊り念仏などでも名前を知られた時宗の一遍。とのことなんですが、法然が行っていた民衆慰撫…

「奈良の寺-世界遺産を歩く」奈良文化財研究所・編

この本は、手に取った時点では寺巡りの本かな? と思ったんですが、内容というか研究の手法としては遺跡研究に近いんじゃないのかしら、という雑感、というより、寺が敷地をまず巨大化させていったところや、建築物がどの時代に作られたのかという検証や、現…

『法然』別冊太陽・日本のこころ178

鎌倉新仏教の祖、もしくは最初の一人と言われ弟子の親鸞(浄土真宗)よりは地味なんじゃないのかなー、と言われているという法然さんは、なかなかどうしてその背景事情のようなものが面白いんじゃないかなと思うんですが。この本の中でも当然のように触れら…

「法然対明恵」町田宗鳳

鎌倉新仏教という括りを最近改めて読み初めまして(結構昔、宗教関係をぱらぱらと読んでる時に多少なりとは手に取ってはいたものの、いまいち掴めないままでした)、それでまあ、一番最初に位置する法然さんという人物に現在興味があるのですが、この人が浄…

「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか-仏教宗派の謎」島田裕巳

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書) 作者: 島田裕巳 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2012/02/29 メディア: 新書 購入: 5人 クリック: 85回 この商品を含むブログ (23件) を見る 正直これ自体が現代を志向しているタイトルに見えたのであん…

「あなたの知らない空海と真言宗」歴史新書、山折哲雄・監修

あなたの知らない空海と真言宗 (歴史新書) 作者: 山折哲雄 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2013/08/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る そもそも最近まで「弘法大師」と「空海」を分離して捉えていたような体たらくなんですが(よくよく…

『日本の美術465 山岳信仰の美術-熊野』中野照男

別のところのブックレビューをまとめていて、熊野三山が今の三社体制(っても、なんか妙にあやふやな説明されていてどこにどなたがいるのやら、一体化してるって漠然な認識でいいですよ的にも言われていたんですが)になったのが永保年間よりも前だろう、と…

「あなたの知らない法然と浄土宗」歴史新書、山折哲雄・監修

あなたの知らない法然と浄土宗 (歴史新書) 作者: 山折哲雄 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2013/10/05 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 読書メーターを見ても地味だ地味だー、と言われていたんですが、なんだろう確かに、でも、この人の…

「神社でたどる「江戸・東京」歴史散歩」歴史新書、戸部民夫

この本の著者の人はなんと言えばいいんだろう、なんかちょっとこう、うーん、扱いジャンルが広くて正直テーマごとが深いとは言いがたいんだけども信頼している人の一人です、なんかね、扱い方が教科書にいい意味で近くて誠実な気がするんだよね。ちょっとそ…

「日蓮宗の歴史-日蓮とその教団」教育社歴史新書 日本史181、中尾堯

戦国時代の本を読んでいると最近(少し昔はあんまり存在を認識されていなかったようですが)、かなりのエンカウント率を誇る法華宗は前々から興味があったんですがそもそも「日蓮宗/法華宗」の呼び別け方が曖昧でよくわからず、なにか明確な基準があるのだ…

「神道-日本が誇る「仕組み」」武光誠

現在「神仏習合」から「廃仏毀釈」に至って「国家神道」となるという神道の歴史系統の本を読んでいるところだったので、正直なところこの本がそちらより読み応えがあったかというと疑問なんですが、うーん、わりと取り扱い範囲や時代が広いという著者さんで…

「古代・中世の女性と仏教」日本史リブレット016、勝浦令子

古代・中世の女性と仏教 (日本史リブレット) 作者: 勝浦令子 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2003/03 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 正直この本の著者さんはわりと一続きの教えとして扱ってはいるものの、「修行の場にお…

「神社とは何か? お寺とは何か?」PenBOOKS、武光誠・監修

神社とお寺での一番の違いは「拍手を打つ」かどうかの違いで、お寺では打たないからね、気を付けてね、だとか、礼は特に神社で重要みたい(ご挨拶らしいです、柏では気付いて貰うためって説があるんだね)、とか、お手水は両方にあるしややこしいよねー、だ…

「熊野大神-蘇りの聖地と神々のちから」イチから知りたい日本の神さま1、加藤隆久・監修

多分熊野三山と呼ぶのが一番妥当だと思うのだけれども(昔熊野古道に惹かれて本を読んだことがありますが挫折!)(ここで語られてる参道の類だと思うんですが、しかしこれ、どこからどこにつながっている道なのか)、まず熊野速玉大社と熊野那智大社、熊野…

「中世の神と仏」日本史リブレット032、末木文美士

中世の神と仏 (日本史リブレット) 作者: 末木文美士 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2003/05 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (7件) を見る ところで少し前に「神祇信仰」という単語を覚え、なにか重要な神社について…

「中世東大寺の組織と経営」永村眞

どちらかというとこの本は学閥、と表現するほうがいいのかなぁ? 東大寺の中にまず南都六宗という仏教の派がありまして、そこに空海の真言宗、最澄の天台宗と加わって八宗、正直ここまでは聞いていたものの「九宗」と聞いてびっくりしたんですが、あ、禅宗か…

「興福寺」日本歴史叢書、泉谷康夫

奈良の南都の有力寺院の中で東大寺に次いで名前が上げられるのがこの藤原氏の氏寺である興福寺で、あんまり本がないなぁ、と思いながら借りて来てみたらば大和国の事実上の支配者であるため、『奈良市史』に大きく取り上げられている上、日本の商業史の最初…

『岩清水八幡宮-男山に座し国家を鎮護する』週刊 神社紀行30

数年前から神社関係の本を読み始めたものの、正直なところ政治関係の事情や寺院関係の事情などと行ったり来たりするようになるまでほとんどまとまって理解が出来ず、最近もまあ行きつ戻りつ少しずつ読み進めているような風情なんですが、そもそも読み始めて…

「大仏再建-中世民衆の熱狂」講談社選書メチエ56、五味文彦

最近この時代とこの「東大寺と興福寺の炎上」を続けて読んでいるので当然なものの、だいぶ何度も燃えた印象になってしまっているんですが…そういやこのあとにも室町時代の末期に燃えたんだっけ東大寺、ご愁傷様です。(室町時代には興福寺は無事でした、そう…

『興福寺-猿沢の池に映える五重塔』週刊 古寺をゆく05

とりあえずこのシリーズを読んできたのはこの興福寺が目当てだったのですが、このあとを読むか読まないかはちょっと迷おうかなと思います、ところで申し訳ない言い方かもしれないんですが、なんで4巻が「中尊寺」なんでしょうね…。(2巻の「東大寺」よりも…

『東寺-京の玄関にそびえる弘法大師の教え』週刊 古寺をゆく03

基本的に各寺というよりその成り立ちや政治的な役目などが気になるのですが、えーと、この東寺があるのが京都八条の辺り、サブタイトルにも「京の玄関」とあるように御所からは離れている(一条から存在するわけだしね)。どうも藤原京以降の都では寺院を都…