『京都を知る100章』別冊太陽スペシャル、別冊太陽編集部

正直なところ東海→関東民という来歴なのであまり京都への憧れや自意識というものに乗っかることが出来ず、「裏路地に入って京都の生活に触れたがる」という観光客らのように通ぶるのもなんかこう、さすがにどうよ、と思う程度の人間なんですが。そうやって生…

『日本の美術13 水墨画』松下隆章・編

この本の前に同じレーベルで「初期水墨画」を読んでいるんですが、その本を手に取った時点で予想していたのがちょうどこの本で触れられていた冒頭部分、大雑把に室町時代中期から雪舟の登場くらいまでの時代なんですが。なんでそんな勘違いをしていたのかと…

「桓武天皇-造都と征夷を宿命づけられた帝王」日本史リブレット人011、西本昌弘

桓武天皇―造都と征夷を宿命づけられた帝王 (日本史リブレット人) 作者: 西本昌弘 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2013/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る そもそもこの本をなんで読んだのかというと、平安京の作られた時代に最澄…

「日蓮と一遍-予言と遊行の鎌倉新仏教者」日本史リブレット人033、佐々木馨

個人的には日蓮さんならともかく一遍さんに関しては思想部分ではなく(この人、実際思想っていう形で展開してたのかね? よくわからん、残してたものがちょくちょくあるらしいのは聞いているものの)、実際の活動周辺に関してを知りたいな、というつもりで手…

「戦国武将を育てた禅僧たち」小和田哲男

この本を手に取った時点でだいたいあの辺が出てくるんだろうなー、と半ば予想してまして(一回でも読んだことある人だとだいたい覚えてると思う、強烈だもん)。で、やっぱり出て来たのが雪斎さんだったんですが今川家の。というか今川義元氏の台頭する理由…

「完訳フロイス日本史(6」ザビエル来日と初期の布教活動-大友宗麟篇1、ルイス・フロイス

えーと、そもそもシリーズそのものが大友宗麟篇をラストに、織田信長篇から始まって豊臣秀吉篇と続いていたんですが、ここに来て1巻で少しだけ見た(確かフロイスさんの来日前後だけ入ってたんじゃなかったかな)時代の続きってことになるのかなー。という…

『権力の館を考える '16』#11「関西の館(2 紫宸殿・清涼殿」

ところでこの回はだいぶ斜めな感じで聞いているので間違えていたらだいぶ申し訳ないのですが、とりあえず建築の方が「江戸時代に西洋のルネサンス、当時のワシントンでも存在した復古調の流れが日本の京都でもあったんですよー」みたいなテーマだったんです…

「謎とき平清盛」本郷和人

正直なところ五味さん周辺の研究者を見ているとあくまでも一つの説は「特定の部位を説明するもの」であって、その説にいかに合致するのかというような捉え方をするものではないという感覚だったので久々に権門体制論(てか、さすがに古くないこれ?)に鋭く…

「平城京のごみ図鑑-最新研究でみえてくる奈良時代の暮らし」文化財研究所奈良文化財研究所

前に一度この研究所の名前を見たことがあって、それが奈良の寺についての本(寺は現存しているため、その境内の痕跡や歴史記録などから探っていくようなスタイル)、多分そもそも奈良そのものを扱ってる研究所なんですかね、やっぱり。一応本の中でも触れて…

『日本の美術43 浄土教画』岡崎譲治・編

この本を読んだ時点で浄土信仰というような仏教の一群があるという認識だったので(浄土宗や浄土真宗などの鎌倉新仏教の辺り)、その辺の仏教絵画が出てくるのかな、と思っていまして、浄土真宗などだと子弟の関係などを絵姿にして大事に保存しているなんて…

「図説 地図とあらすじでわかる! 最澄と比叡山」池田宗讓・監修

ところで私、最澄さんと空海さんの時期をあんまりきちんと把握してなかったんですが、平安京を作った桓武天皇と同時代、ということでわかりました、むしろ比叡山延暦寺って平安京と平行して作っていた認識のほうが無難だし、空海さんに預けられた東寺は平安…

「寺社勢力-もう一つの中世社会」黒田俊雄

ここ最近かなりごてごて立て込んで仏教関係の本を読んでいたので若干本ごとで触れていた触れていないの記憶が怪しくなっている部分があるにはあるんですが、この本は中世史やるんなら一度は読んでおいて損がないんじゃないかしら。逆に宗教史という意味だと…

「黴」徳田秋声

友人が読んでいたのでちょっと興味を覚えて、【青空文庫】にも収録があったのかな? まあ、あれはあんまり長いものを読むには向いていないので岩波文庫版で借りてきまして、なんかこう、私小説とも別の独特の癖があるなー、という雑感。要するに仮名とはなっ…

『権力の館を考える '16』#10「関西の館(1 大阪城天守閣と旧第四師団司令部庁舎」

この講義で語られていたのはえーと、一時東京を抜くほどの人口になった大阪に公園を作りたい、が土地がない、大阪城がいいんじゃね? いや待て、あれを持ってるのは陸軍だから無理なんじゃないのか、ということになりまして。まず陸軍に、おたくの宿舎を建て…

「「街道」で読み解く日本史の謎」安藤優一郎

前から何度か読んだことのある著者さんなんですが、庶民史寄りの人だよね多分(世田谷代官とあと小石川療養所の本を読みました)、で、正直街道の本は結構読んでいるんですがそういう本と比べて街道メインではない気はするかな。個人的には経済や統治などに…

「足利義政と東山文化」読みなおす日本史、河合正治

一度、同じ内容のものを読んだことがあるのを読み終わるまで気付かなかった時点でだいぶ不覚だったんですが(私が読んだのは清水新書、だったかな?)、要するにこれ、「応仁の乱」前後の情報がかつてだいぶ混乱していて、最近ようやく整理され始めて来たと…

『日本の美術69 初期水墨画』金沢弘・編

前にも確か…日蓮宗だったかな? 日蓮宗本願寺派の本を読んでいた時に祖となる僧侶の(師匠を必ず持っているので系譜でつながっていく)絵を連ねて描いて行く、という習慣が紹介されていたのですが、ここで禅宗で紹介されていたのも多分それと似たようなとこ…

「寺社と芸能の中世」日本史リブレット080、安田次郎

猿楽に関してはこの本で語られているよりも少し前に独立し(形としてはもう少し前からあったろうけども、専門特化したのはこのちょっと前だよね確か)、この少しあとになると足利将軍などを筆頭に貴族の庇護を得つつ大衆化していったよ、ということのはずな…

「戦国と宗教」神田千里

ちょっと前に同じ著者さんの浄土真宗・本願寺派に関しての本を読んでいたので仏教の本かな? と思い込んで借りてしまったんですが、どちらかというとこの時代の神仏に関しての同時代人たちの態度や、新興宗教としてのキリスト教に関しての扱いなど、タイトル…

「NHK さかのぼり日本史6」江戸 “天下泰平”の礎、磯田道史

そもそもどうも今の教科書では重農主義とか重商主義とかそういう概念で教わるようなんですが、私の時代を考えてみるとなんかもっと漠然とした感じで捉えてたよなあ、そんなだから改革の名前と年号を覚えるしかなくなるのだろうかと今ちょっと暗い気持ちにな…

『権力の館を考える '16』#9「軽井沢の館」

この回で語られていたことへの理解がちょっと薄ぼんやりしたものの、もう一つのところでぐたぐたとまとめていたらなんとなくはわかったかな? 要するにあれ、軽井沢という土地にどれだけ政治家が集まって、ついにはそこで「終戦工作」が行われた、そして戦局…

「対馬からみた日朝関係」日本史リブレット041、鶴田啓

対馬からみた日朝関係 (日本史リブレット) 作者: 鶴田啓 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2006/08 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (5件) を見る 対馬というのは大雑把に九州と朝鮮半島との間にある島で、正直なところ…

「列島創世記-旧石器・縄文・弥生・古墳時代」全集日本の歴史1、松木武彦

前に古代史の番組を見たあとでテレビ関係のブログを見ていたら「邪馬台国関係でもないのに重大発見なんて、困ったもんだwww」と嘲笑っていたのを見てだいぶ暗い気持ちになったものですが(曲がりなりにも歴史に関わる人間がそれって…という絶句ですね)。…

『日本の美術22 茶道具』藤岡了一・編

あくまで取り扱われていたのは茶道具という物に関しての歴史なんですが、最近時々「侘茶の創設者」と言われていて、若干ぴりぴりしていた千利休さんの扱いに関して、まあ、それ自体を認めるつもりはないものの、ある程度理解出来ないでもないかなー、という…

「古寺に秘められた日本史の謎」歴史新書、新谷尚紀・監修

神社に秘められた日本史の謎 (歴史新書) 作者: 新谷尚紀 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2015/02/05 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る このタイトルと表紙の「歴史を影で動かしていた!? 知られざる寺院の正体」という煽りの文章を見て気持ち良…

「一向一揆と真宗信仰」神田千里

とりあえずこの本を借りて来たメインの目的はがっつがつと戦国武将と対立することのある本願寺がよくわからないという部分だったんですが、正直、一向一揆も浄土真宗といまいち印象が一致しないし、本願寺もそんな感じという齟齬のような部分も気になっては…

「NHK さかのぼり日本史5」幕末 危機が生んだ挙国一致、三谷博

シリーズがやっと半分消化出来た時点でようやっと近世の終わりなのですが、大雑把にどうして幕府が崩壊するに至ったのか、という巻だよねこれ?一応時代を遡っているコンセプト上、明治政府寄りなんですが全体的に。どう考えても自壊していて、それよりはマ…

『権力の館を考える '16』#8「首相の館(3」

正直なところ中曽根さん、竹下さんに関してはもちろん記憶があったものの(教養がどうとかじゃなくて今でも普通に見るしね)、福田赳夫と大平正芳にほとんど聞き覚えがなく、いや、前者は文字で見たことがあったかどうか、と思ってWiki先生で調べてみた…

「北辺の海の民・モヨロ貝塚」遺跡を学ぶ001、米村衛

北辺の海の民・モヨロ貝塚 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 米村衛 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2004/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る そもそもこのシリーズを読み始めた理由ってなんだっけ? どちらかというと興味が中世以降に…

「摂関政治 シリーズ日本古代史6」古瀬奈津子

もともとシリーズ日本中世史を読んで(まだ最後の1冊、4巻目が読めてませんが)、遡る形で手に取ったんですが、これが最後の巻になるわけかな、このすぐあとが院政時代だしね、やっぱり最近は院政から中世ってのが定番ってことでいいのかな。(そこを定番…