2015-01-01から1年間の記事一覧

「内閣」図説にっぽんの役所2、榊原昭二

日本の三権分立が完全な形ではないというのは一つ前の『国会』で触れられていたんですが、国会の最大政党の党首を選ぶってスタイルが確かイギリス式(完全な三権分立だとアメリカが挙げられますね)。そこまではまあ普通に把握していたんですが、そういや最…

「日本貿易入門」松井清

1962年、戦後17年目の刊行(一応高度経済成長期に含まれてるのかなぁ、自由化に関しての話はすでにされていますね)、個人的に欲しかったのは明治初期の貿易の歴史だったんですが、明治初期の頃の低廉な賃金によって支えられた日本の輸出産業、という…

「倭人と鉄の考古学」シリーズ日本史のなかの考古学、村上恭通

このシリーズちょっと検索してみたんですが、3冊目までが出たところで10年以上経ってるんだな、どうなったんだろう一体…(いやまあいいんですが、著者名もタイトルもしっかりと決まってるようなのでちょっと意外ではあったかも)。とはいえ、個人的にはど…

『趣味どきっ!開け!世界遺産』#5「石見銀山・醍醐寺」

ところで醍醐寺というのがどうにもどこだかわからなかったので、ちまちまと検索していたんですが、うーん、「醍醐の花見」の舞台ってことでいいのかなぁ。なんか私の記憶の中で茶会とごっちゃになっていたんですが、天下に威信を見せる目的で、自分と跡継ぎ…

「足利義政と東山文化」清水新書026、河合正治

正直今まで読んできた中では「応仁の乱」を捉えるには一番いいんじゃないかと思うんですが、どうなんだろう、微妙に合戦関係の描写が一般的なものと違うところがあって、一部特定の存在を貶めようとしてる史料を採用しているような気がするなぁ…。まず足利義…

「都営地下鉄・都電・都バスのひみつ」PHP研究所

都営地下鉄・都電・都バスのひみつ 作者: PHP研究所 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2014/02/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る かつて馬車鉄道(レールに馬車を乗っけた作りですね、確かアメリカから車両が来て…

「なぜ人は地図を回すのか-方向オンチの博物誌」村越真

図書館でこのタイトルが目に付き、手に取ってみたら案の定というか方向音痴の人(というよりは「方向感覚」に関して)の本だったのですが、正直もうちょっと方向音痴ネタがあると嬉しかったです、ていうかNHKの特集見たかったよ文章だとわかりにくい!欧…

「道と川の近代」高村直助

近代の交通というと新しい技術である鉄道に主に焦点が当たっていて他があまり省みられず、ということが語られていたんですが、結局鉄道にしたところで本当に初期の頃だけで他の交通の発展と事情が絡む時期になるとよくわからない扱いされるようなことになっ…

「株式会社の世紀-証券市場の120年」小林和子

前に証券市場ではまず鉄道株が主に最初に扱われたものの私鉄の国有化(明治末)によって大きく流れを変えた、と聞いたことがあるんですが、そちらは野田正穂氏辺りに任せたほうがいいかな。ただそれ以前の「東京株式市場」までの流れはこの本のほうがわかり…

「武蔵の古代史-国造・郡司と渡来人・祭祀と宗教」森田悌

とりあえず私が住んでいるのがこの本の中で南武蔵と呼ばれている地域のようなんですが(まあざっくり東京都の地域かなって)、著者さんやそもそもこの本の出版社さんは埼玉県寄りなので北武蔵、で、まあ、話はだいたい北武蔵を中心です。まあただ、南武蔵っ…

『趣味どきっ!開け!世界遺産』#4「金閣寺・銀閣寺」

これを書いている真っ最中に第6回(富士山)が放送しているのですが、この回をまとめ損ねていたらばちまちまと溜まってしまった上、微妙に放送内容が思い出せません正直。えーと、あ、そうだ(Wiki先生見直し中)、確か金閣寺は正式名が鹿苑寺と言うら…

『日本の美術158 塔の建築』浜島正士・編

もともとこの塔が仏舎利を収める目的で作られていた、というのは聞いた覚えがあったのですが、ええと、顕教の四仏というのが東方に薬師、南方に釈迦、西方に阿弥陀、北方に弥勒。で、ああ、興福寺ではこれだったよってあるなー。(創建五重塔ってのと三重塔…

『週刊 東洋経済』2014年10月25日号「鉄道異変あり!」

週刊東洋経済 2014年10/25号 [雑誌] 作者: 週刊東洋経済編集部 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2014/10/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 読書メーターに登録する時に「リクルート上場」というタイトルが収録されていたの…

「近代日本と鉄道史の展開」鉄道史叢書9、宇田正

わりと目新しい内容は多かったものの、微妙にテーマが散逸しており、それと「エートス」「ビヘイビア」(性質と振る舞い程度の意味かなぁ?)という言葉が多様されるような文章には到底見えず、なんでこの言葉が使われてるんだろう、としばし悩むようなこと…

「地名と地理の謎がわかる! 東京の歴史地図帳」谷川彰英・監修

一番面白かったのが墨引きという町奉行の統括地域を示した地図の範囲、それに寺社奉行の地域を足した朱引き。だいたいこの朱引きが明治以降は市内という認識をされていたんですが、江戸幕府が「御内府」って言ってたのはどっちだろうね、と言われたら微妙。…

「その男、はかりしれず-日本の近代をつくった男浅野総一郎伝」新田純子

この本の中に出てきた人物の中で全くわからなかったのが(いや名前を見たことくらいはあるんですが、周辺読んでるし)、どうも日本郵船に深く関わってる郷誠之助とその父親である郷純造だったんですが、郷純造が川崎八右衛門の舅ってのもなんか重要案件っぽ…

「日本刀物語」福永酔剣

正直なところ前半の「ちょっと出所の怪しい伝承」とその時代のズレのような部分はわりと覚悟しながら読んでいたものの(小夜左文字はまあ、時代に問題があるってほどでもないような気がする、ただ、なんか行方不明になっていた時期と逸話の内容にちょっと違…

『趣味どきっ!開け!世界遺産』#3「厳島神社・平泉 中尊寺」

この回が始まってわりとすぐに、「源氏のヒーローは?」「それでは平氏のヒーローは?」という質問があったのですがそれぞれの答えは源義経と平清盛、すごくざっくりとこの二人ともが大河ドラマの主役の俳優さんの写真で示されていて、出演者の二人が大笑い…

『日本の美術171 国分寺』三輪嘉六・編

国分寺ってのはそもそも微妙にどういう意図で作られたのかがわかっていないようなんですが(いやもちろん名目はあるんですけども「護国のため」って言われてもね、仏教の全国的展開のためってことならお題目っぽくても意味わかるんだけども)、どうも見てい…

「日本の企業家と社会文化事業-大正期のフィランソロピー」川添登/山岡義典

フィランソロピーよりもひょっとしたら日本人には「ノーブレス・オブリュージュ」のほうが馴染みがあるかもしれないくらいなんですが、企業の社会責任みたいな概念で、正直日本の社会に根付いていたことがあったのかな、どうも企業単体の良心に委ねられてい…

「15歳の機関助士-戦火をくぐり抜けた汽車と少年」交通新聞社新書051、川端新二

15歳の機関助士―戦火をくぐり抜けた汽車と少年 (交通新聞社新書) 作者: 川端新二 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2012/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 私はどちらかというと歴史マニア寄りの人間なので、この本の中で「国鉄」とずっ…

「豊島区の歴史」東京ふる里文庫3、林英夫

池袋がそもそも目白の変わりであって(それこそ巣鴨刑務所のせいで曲がれなかったって聞きますね)、今は新宿駅に続く第2の乗降数を誇る、というのはわりと聞くんですが、もともと大塚や巣鴨、雑司が谷の一部を切り取ったもので、と言われると結構寄せ集め…

『趣味どきっ!開け!世界遺産』#2「東寺・平等院・熊野古道」

この回はなんの回だっけかな、と見終わったあとでぼんやりと思い返しているんですが、要するにあれかな、日本にまず神道があって、そこにインターナショナルな仏教が入って来たのが前回で、その仏教の中に現世利益を追求する密教の流れが来たよ、というのが…

「第一次世界大戦と日本」井上寿一

前に『政友会と民政党』という同じ著者さんの本を読み、どうも微妙に尻切れの内容だったような、と認識していたんですが、それどころじゃなかった尻切れなのは現実か!! ということがよくわかりました、もう反体政党でも政党政治が続くなら歓迎ってどんな状…

「もっと知りたい東大寺の歴史」アート・ビギナーズ・コレクション、筒井寛昭/坂東俊彦/梶谷亮治

この間、滋賀の紫香楽宮関係の本をぽつぽつと読んでいて行基(はぐれ僧侶)が担当していたという大仏がどうなったのかをきちんと把握していなかったんですが、あ、結局あれがこの奈良の東大寺のほうに作られたんだね。で、この東大寺というのはどうも総国分…

『日本の美術107 山城鍛冶』佐藤寒山・編

正直なところ何度も読んでいる著者さんなのですが、やっぱり地域絞ってる本のほうが焦点はっきりしててわかりやすいなぁ(まあ、全体的な傾向をある程度踏まえてるからこそ特色がわかりやすいんだってこともあるとは思うんですけどね)。そういや来派に相州…

「首都圏鉄道完全ガイド 地下鉄・その他私鉄編編」双葉社スーパームック

首都圏鉄道完全ガイド 地下鉄・その他私鉄編 (双葉社スーパームック) 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2014/07/23 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 大雑把に東京メトロ、都営地下鉄、横浜市営地下鉄、と相鉄、新京成(要するに首都圏近郊の中…

「国家神道」村上重良

えーと、上手く表現出来るかどうかわからないんですが、私このタイトルにもなっている「国家神道」のことを記紀神話(古事記と日本書紀)を中心にした中央政権的な性質のある神道ではないかと勘違いしてました、すみませんでした、記紀神話も特に国家神道に…

「国会」図説にっぽんの役所1、榊原昭二

12冊のシリーズの1巻めでこの次の巻が内閣、さすがにそのくらいの本はいろいろあるんですけども、そこからあとの各省庁に関しての本がなかなかないので手に取ったんですが、この巻はこの巻で今の国会議事堂が昭和11年に作られたとか(第1回帝国議会か…

「明治の東京計画」藤森照信

明治の東京計画 (岩波現代文庫) 作者: 藤森照信 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/11/16 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 17回 この商品を含むブログ (16件) を見る 銀座煉瓦街計画が若干時代に早かった、というのはよく聞くものの(でも、本の中…