国際関係史

『週刊 東洋経済』2014年9月27日号「ビジネスマンのための歴史問題」

そもそも件の従軍慰安婦については「女衒に騙されたのと、軍人が直接連れていった」のとは保証金額の違いにはなってもあくまで対個人(裁判の争点として間違ってたとは全く思わない)、それを少なくともアメリカの一流紙に日本の政治家が連名で一面広告出し…

『週刊 ダイヤモンド』2014年11月15日号「ビジネスマンの必須教養「宗教」を学ぶ」

週刊ダイヤモンド2014年11/15号[雑誌]特集1 ビジネスマンの必須教養「宗教」を学ぶ/佐藤優が指南「宗教で読み解く国際ニュース」/「イスラム国」とは何者か/特集2 タイを超える自動車生産拠点 メキシコ大躍進 最前線 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日…

『週刊 ダイヤモンド』2014年5月24日号「新・中国バイブル」

週刊 ダイヤモンド 2014年 5/24号 [雑誌]特集1新・中国バイブル/中国版「列島改造論」/最貧省・貴州のバブル炭坑/幽霊都市・鬼城を歩く/シャドーバンキングの成れの果て/話題の理財商品を買ってみました! /デフォルト懸念漂う巨額信託商品10本の実名/時価総…

『ウィキリークス-秘密と嘘』

すごく正直に言うとこの番組の中で海兵隊、かな?(刺青とかそれっぽかったんで) の方が言ってたように「軍事専門家の暗殺部隊」があったら駄目だってことはそんなにないんですよね、昨今。政治指導者を暗殺するのは勘弁して欲しいけど、相手が軍人で、その…

「終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ」木村元彦

この人物がどうして“ここまで”したのか興味がある、というレビューを見掛けたが、他にサッカーに関しての本を書いているので、それを読むとわかりやすいのではないかと思う、要するにサッカーが好きで、その取材をしていて、とてもサッカーに強い地域があっ…

「灰とダイヤモンド(上」アンジェイェフスキ

ポーランドの戦後問題はまずそもそも「被害者であるのか/加害者であるのか」というところから逃れられないのだと聞いたことがあるのですが(すごく端的に言うと、ドイツ軍による占領がかなり早い時期に行われてしまった関係で第二次世界大戦のほとんどをド…

「新版 荒れ野の40年」ヴァイツゼッカー大統領ドイツ終戦40周年記念演説

大雑把に一言で言ってしまうと“40年ずーっと加害者”という状況が継続すればさすがにまあ、いくらそれがナチス・ドイツだからと言って終戦の頃に子どもだった世代に子が生まれて親になって、孫が出来てさらに次の世代に以降、というほどの時間が経ってしま…

「国境なき医師が行く」久留宮隆

“国境なき医師団”というのはいつだっけ? わりと近年有名になったNPOの一種で本部がフランスに、という程度の知識しかないのだけれども、まあ、日本人にありがちなことに私もまあまあ美化して考えていて、実際にそれに飛び込んだ人に言わせると「なにもか…

「ビルマ軍事政権とアウンサンスーチー」田辺寿夫・根元敬

共著で概ね同じスタンスの方らではないかと思うんですが、どうも片割れの方の文章が読みづらい。個人的に前半と後半を入れ替えてくれてたらもうちょっとマシだったのではないかと思うんですが、正直、初っ端からは共感しずらかったです...orz ちゅーか、アウ…

『ロード・オブ・ウォー−史上最強の武器商人と呼ばれた男』(アメリカ映画)

正直私、海外の名前はよくわからないんですが、シメオン・ワイズはユダヤ人なのかなー、というようなことは思いました。最初の取り引きにされるのもイスラエル製の銃。 そもそも主人公が最初に遭遇した、銃撃を受けた瞬間にテーブルを立て掛けてマシンガン乱…

「パナマ運河史」河合恒生

この本で扱われていたのは「もう1冊」のパナマ運河の本とはジャンル違いの(同年出版ですが、とても相互補完的でよろしいと思います、こちらが後発で、ぶっちゃけて結構手直ししたよね)、アメリカの南北大陸における文脈の中のパナマ運河というか。 レセッ…

「中南米−ラテン・アメリカの政治と経済」山本進

なにぶんにも1960年ちょうどに書かれた本なので、アフリカやアジアの地にヨーロッパの植民地が数多く残り、という時代なのですが(1960年代にアフリカの国々は独立を果たしたわけなのですが)、記述が古びていない、というと褒め言葉でしょうが扱わ…

「ヨーロッパ統合」鴨武彦

正直言って、あまり面白い本とは言い難かったというか“同時代性”が強く、本が古いというのは仕方のないことではあるんですが、新書などより些か専門性が高いために逆に単なる事実の羅列としても読めず(時代によって解釈そのものが変化するんですよね)、さ…

「カンボジア最前線」熊岡路矢

国連派遣の選挙監視委員(有償ボランティア)の方の本と、国連の大雑把な関与と、それからカンボジアに伝わる伝統的な織りの復活を、と志している日本人の方の本を読んで国内の荒廃も、人びとの希望のなさもわからないでもないのですが。 さて「カンボジアっ…

「重いくびきの下で−ブラジル農民解放闘争」フランシスコ・ジュリアン

この地の農民の立場を表すのにわかりやすいかなと思うのは、この著者さんが公の場で「カンバネス」(カンボがだいたい日本の“田んぼ”に相当)と農民のことを表現した時。 あまりにも過激すぎる、という非難を受けたという辺りでしょうか。 地主制を基礎とす…

「ラテン・アメリカ史」中屋健一

出版が1964年、ということはキューバ革命を経ての社会主義化が宣言されたことがちょうど同時代で(1961年)、メキシコに買い出しに来た彼らが、様々な日用品雑貨を買い込んでまた戻っていくことを非常に憂慮していたのですが。 (よく考えてみると農…

「CIA−変貌する影の帝国」斎藤彰

諜報機関としては兄貴分であるイギリスの諸機関になぜか適わないだとか(でもなぜに? ハード面やら資金面なんかで桁が違うはずなのに)(特になにか言ってくるわけではないんですが、情報を「貰う」嵌めに)(滅多にくれません、そりゃそうだ)、どう考えて…

「徹底批判 G8サミット」ATTACフランス

こう言ってしまうとなんなのだけれども、正直いまいちな内容で、なんというのだろう、とりあえずこの本に書いてあることが全て本当だとしても(そこを疑ってるわけではないんですけどね、ただ、客観性が高いとは言いがたいとも思っているのでなんとも)、「…

「戒厳令下チリ潜入記−ある映画監督の冒険」G.ガルシア・マルケス

まあガルシア・マルケスの名前くらいは聞いたことがあるにしても(南米の小説家、というところまでが出てきて、あとはどこで聞いたかも思い出せない)(のが私です、そして多分この手の人はけして少なくないかと思います)、チリという国の形までは頭の中に…

「キューバの社会主義(下」P.M.スウィージー

というわけで、いいこと尽くめだった上巻に比べ、下巻の展望はまだまだ見えず、「サトウキビの機械収穫」が可能になったという部分に関しては掛け値なしに希望としていいとしても(植え付けよりも収穫が大変なのはわかるんですが、植えすぎて収穫されずに腐…

「キューバの社会主義(上」P.M.スウィージー

ある意味でショッキングといえる本で、先入観を抜きにするとここに出てくる「アメリカ帝国」(中南米においてはそういう存在なのだそうです、別の本より)の存在は正直一昔前のやりたいことがよくわからない出来の悪い悪役にしか見えない。 そしてソ連邦筆頭…

「エリゼ宮の食卓−その饗宴と美食外交」西川恵

大雑把にまあ、ワインの格付けにも縁がなく(格付けが存在する時点で「縁が遠い」)、料理の名前くらいは見たことがあるものの、その味だのワインとの相性だのはさっぱり、という人間にとっても面白かった、という時点で大したものだと思うんですが。 とりあ…

「悪者見参−ユーゴスラビアサッカー戦記」木村元彦

“ユーゴスラビア”という今は存在しない国の、分裂の過程において唯一そこから脱出する手段であったのだともいうサッカー選手たちはその国のセルビア人たち(+ミロシェビッチ大統領、独裁者と呼ばれたそうですが)(独裁者の定義って正直なにさ)に対して行…

「イラク自衛隊の真実」産経新聞イラク取材班

正式には“誰も書かなかったイラク自衛隊の真実−人道復興支援2年半の軌跡”というタイトルです、長い。そして自衛隊の人らが概ね抑え気味に語っておられる中で、取材班の人(だと思う)の書いた後書きだけがエキサイトしてました。 気持ちはわからんでもない…

「報道できなかった自衛隊イラク従軍記」金子貴一

確か、この系統で最初に読んだんじゃなかったかな? イラクに派遣された1次群と2次群の間くらい(先発隊よりは遅く入ったというのは書いてあったんですが、ご当人の言い方がちと曖昧でした、民間人だしどこまで書いていいかの判断が難しかったんでしょうか…

「フランスの外交力−自主独立の伝統と政略」山田文比古

国連さん(無駄に敬称が)の安保理・常任理事国の一国の外交の本。 巨大すぎて結果的に調整役には向かないアメリカ、社会主義国であるために否定的意見が多くなりがちなロシア、中国などと比べて外交が活発で、軍事ともなると米国と足並みを揃えがちなイギリ…

「人口論」マルサス

正直こう、最後の最後に至るまでかなり陰鬱な内容だなぁ、と思っていたんですが、ああ、そういう本なのか。最後の最後で意外と前向き真意がわかる構造ってw とはいえまあ、一つの意見を論破するのにもねちねちねちねちじとじとじとじとと非常にうっとおしく…

『現代テロリズムの進化と戦術』#3 ウェブサイトと自爆テロ

ロンドン同時爆破事件−Wikipedia ものすごく正直に言えばこの回で聞いたテロ組織のやり方って一番似てるのはアメリカのやり方ですよね、方向性や効果のあるなしに細かい違いはありますし。それが彼らの皮肉なのか、それとも自然にそうなってしまう…

『現代テロリズムの進化と戦術』#2 アルカイダ・コーリング

スペイン列車爆破事件−Wikipedia えーと、2004年3月、スペインの首都マドリッドで起こった爆破テロがメインとなっていて、テーマとなっていたのは「携帯電話による起爆装置」のようだったんですが、事件の主犯はアルカイダ系? これ、アルカイ…

『現代テロリズムの進化と戦術』#1 人質ビデオによる声明

モスクワ劇場占拠事件−Wikipedia 上記モスクワ劇場の事件が2002年10月、もう一つの誘拐事件はイラク攻撃のあとですのでそもそも時期が離れているとわかりそうなものですが、“宗教スカーフ禁止法”のフランスの施行が2004年9月。なんで同…