「ヨーロッパ統合」鴨武彦

正直言って、あまり面白い本とは言い難かったというか“同時代性”が強く、本が古いというのは仕方のないことではあるんですが、新書などより些か専門性が高いために逆に単なる事実の羅列としても読めず(時代によって解釈そのものが変化するんですよね)、さりとて、今読んで唸らせるほどの内容でもなく。
要するにレーベルにも時代にも相応しい本だったんだろうと思います、古いですが。


大雑把にヨーロッパには「ドイツ怖い」「イギリス、アテにならない」(何故頼るのかがわかりません)、その他フランス一国、という浅いような深いような事象がありまして。
国連みたいな超国家主体(分類的には)ならばともかく、EUのような複数の国の“緩やかな”共同体は無理なのではないかとも言われていたようです、まあ、問題も細々とありましたし、前例もなかったですし。
で、結局世界最初の実例となりましたよ、というのがこの本書。
成功の秘訣はやっぱりあれですかね、「やんなきゃヤベェ」というか、さすがに世界大戦の三度目を起こしたら地域ごと見捨てられかねませんしね。
そして理論が先なのか実践が先なのか同時進行だったのか、アメリカでの論調も微妙に彼にらのことを後押していたよ、ということがつらつらと述べられていまして。これはこの本以外では見たことがない内容ではあったんですが、いわゆる論文によっての後押しってのは、うん、ある意味で非常に回りくどいので、正直、読むのにした苦労に対して得られた成果が大きかったような気はしてません。
ヨーロッパ共同体そのものがまだ成功とは言い切れない時代に書かれた本で、まあ、素人筋から素人筋へのアドバイスとしましては他の本がお勧めですw