2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「古代アステカ王国−征服された黄金の国」増田義郎

現在の中米メキシコの地に、本土再征服≪レコンキスタ≫を済まし(イスラム教徒との闘争ですね)、その頃欧州の地で流行っていた「冒険譚」をそのままノンフィクションと信じていたスペイン人が降り立った、という時点でなんか嫌な予感がするものですが。 まあ…

『世界遺産』#566 リュウゼツラン景観とテキーラの伝統的産業施設群(メキシコ)

テキーラ−Wikipedia なにはともあれとにかく酒ですよ。そういえば、前にワインしか作れない島の(クジラも獲れるけど)文化遺産登録ってあったなぁ、とか思い出したんですが。メキシコの地酒、というより一部地域の一部の変種以外は「テキーラと認…

「ウィーン愛憎−ヨーロッパ精神との格闘」中島義道

30過ぎの私費留学という、その地の最下層から見たウィーンの本。 まあ概ね、薄っすら知っていたもののアジア系の地位の低さと扱いを再確認しないでもなかったんですが(日本人気質はちょい割愛、あとで触れます)、しかしぶっちゃけ、イギリスやらドイツだ…

『美の巨人たち』狩野永徳「唐獅子図屏風」(日本)

狩野永徳−Wikipedia (1543.02/16−1590.10/12) この人は“大作”の絵柄を見ただけでなんとなく、細かいものが好きなんじゃなかろうか、という気がしてならないわけですが。現代の画家にしたところで大作は技術の証であるらしく…

『美の巨人たち』コレッジョ「聖母被昇天」(イタリア)

コレッジョ−Wikipedia (1489−1534) 言われてみれば「蛙の足のシチュー」と揶揄られてしまった気持ちのほうがわかってしまうというか、それが気になるとそればかりが気になってしまいますが、あれは実際に見方を教わって見上げたらちょっ…

「スコットランド「ケルト」紀行」武部好伸

正直スコットランドというと、ウイスキーの生産地とはいえ、かなり早い時期に英国の地方として存在していたわりには(英国の国名に正式に含まれている北アイルランド、アイルランド紛争のある地ならともかくも)、そこらの小国よりよほど知名度が高いのでは…

『世界遺産』#565 アイールとテネレの自然保護区(ニジェール)

アイル・テネレ自然保護区−Wikipedia 日本人はわりと“砂漠好き”って少なくないと思うのですが(なにせ年々鳥取砂丘が縮小していくお国柄なので、その厳しさを知れっつっても物理的に無理だよな!)。 なんというかその例に漏れず、ナレーションも素…

「対独協力の歴史」ジャン・ドフラーヌ

正直申し上げて“欧州共同体”というものが、フランス−ドイツの協力関係からまず誕生したとのことなので(相互の軍事監視システム)、その本を期待していたのですが。 時代背景はww2、ドイツ軍の占領に対し積極消極にか関わらず、フランス国内で彼らに協力…

『食彩の王国』#199 塩

にがり−Wikipedia 塩田に海水を撒き、砂を越すことによって塩分濃度が濃くなり、燃料が少なくて済む! というは技術としては本当に素晴らしいと思うんですが、、、えーと、今は正直、人件費のほうが掛かるのではないのかな、という疑問が湧いてきて…

「されどブラジル−特派員の見た第三世界」飯倉健次

冒頭から“ブラジルの食糧危機”に関する日本のドキュメンタリー番組が語られ。 ものすごく正直申し上げれば、確かに「普段は全く存在しない抗議活動」でも。 後ろ盾にNHKがいて、相手がブラジル政府(日本を無視しにくい)、ともなれば喜んで協力しよう、…

『世界遺産』#564 アルベロベッロのトゥルッリ(イタリア)

トルッロ−Wikipedia なんで作られ続けたのかはわかっているものの、どちらかというと“何故”その技術が始まったのかというのがよくわからないらしいという。学者さんたちは占星術との関係がどーの、というけれど、そんな感じじゃないねぇ、というの…

「戦うハプスブルク家−近代の序章としての三十年戦争」菊池良生

そもそも“30年戦争”という名前すら、世界史を選択した人でも「聞いたことはあるような」(私は聞いてません!)(それは威張らない)というレベルな模様なんですが、博識な方が言われるのも「正直、なにがなんだか...orz」なので、まあ、覚えなくてもいい…

「海賊キャプテン・ドレーク−イギリスを救った海の英雄」杉浦昭典

例えばまあ、とある海軍将校の裏の顔が海賊だった、などと聞いてしまえば、なんとも言えない嫌な気分になるものではないかと思うのですが(海賊自体に反権力めいたロマンはあるけど、権力と結びついた違法行為は全然別の話だよね)。 当時すでに“世界一有名…

『美の巨人たち』鈴木春信「雨夜の宮詣で」(日本)

鈴木春信−Wikipedia (1725−1770.07/07) 標準よりは上、というか、多分熟練の腕と、優れた色彩感覚を持ち、平賀源内を同時代というか友人に持ち。ちょうど浮世絵の多色刷り「錦絵」が一般的になっていく時代に上手く乗っかってつい…

『美の巨人たち』ミケランジェロ「ピエタ」(イタリア)

ピエタ (ミケランジェロ)−wikipedia (1475.03/06−1564.02/18) ミケランジェロと言ったら天才ですが、ピエタと言ったらとりあえずまずミケランジェロのようです、全然完結してませんが。とはいえ、最高傑作の呼び名も高いよう…

「サンバの国に演歌は流れる−音楽にみる日系ブラジル移民史」細川周平

ブラジルの日本人社会の中にあったのだという“勝ち組”“負け組”というのがどうにも理解できなかったんですが(いや、なんか日本の戦争と絡めて記述してあったもので;)、背景は無視して成功者とそうでないグループってことでいいのかなぁ? 日本人にとっての…

『食彩の王国』#198 落花生

ラッカセイ−Wikipedia 地面に植わっていて、掘り返しているのをなんとなく見ていたんですが、その後「花が地面に落ちる」とのことで落花生、と聞いてびっくり。そういえばよく考えたらそもそも実なのになんで地下に成るのか、実を守るためなのか繁…

「アーサー王伝説」アンヌ・ベルトゥロ

アーサー王というのはなんでもイングランドの地に、ローマの支配が去った後のだいたい5世紀くらいの時代(へー、そうなんだ)、キリスト教徒? なんですかね、として異民族の侵入に対抗した、という人なんだそうですが。 正直、なんでそんな時代に記録がこ…

『食彩の王国』#197 秋本番!りんごはおふくろの味

リンゴの唄−Wikipedia どうも実際、≪リンゴの唄≫でもって爆発的に林檎そのものが認知されることになったらしいのですが、当時は高価でほとんど見ることも適わなかった(食べたことを思い出しながら歌った、と歌手さんも言っておられたそうな)とW…

「幸福な無名時代」G.ガルシア=マルケス

ルポルタージュとしては確かに若干どうかと思いますが、すごく面白いので不問です、そして人間的には鵜呑みにしても構わなさそうなので、別にいいです。 間違ってて問題がありそうなのは「貨幣に額面が書いてない」という辺りくらいでしょうか、でもさすがに…

『美の巨人たち』耳鳥斎(松屋平三郎)「別世界巻」(日本)

耳鳥斎(にちょうさい) (1751?−1803頃、要するに生没年不明) 謎というより、上方・大阪の芸術そのものが美術史から外されてしまい。 そのために昔は北斎と並び称されるほどの人気があったらしいというのにとんと人々の記憶から薄れ、忘れられた…

「都市ヴェネツィア 歴史紀行」F.ブローデル

まあ正直ぶっちゃけまして、なに言ってんだかはよくわかりませんでしたが、ヴェネツィアがどんなところかはなんとなくわかりましたし、面白かったので良かったのではないでしょうか、うん、フランス人ってフツーの文章がわかりにくいんですけども。 (なんと…

「大真面目に休む国ドイツ」福田直子

正直に申し上げてしまえば、タイトルから予想したよりずっと「楽しくない」本だったのですが(最初少し笑えたんですが、ある程度進むと無理ですね、身に染みるというか人事じゃねぇっつーか)、タイトルから予想していたよりもずっと実になる本でした、ええ…

『美の巨人たち』香月泰男「おもちゃ」(日本)

香月泰男−Wikipedia (1911.10/25−1974.03/08) “シベリア・シリーズ”も≪おもちゃ≫も大変にどちらも素晴らしい出来ですし。 それが紛れもなく同時期の同人物の手から作り出され、描かれていたのだということが感動を深めるとい…

「死刑執行人サンソン」安達正勝

もともと人々からどうしても忌み嫌われていたため、代々世襲だったとあるフランスの死刑執行人の家に、出自は不明ながら明らかに知識人であったサンソン氏が婿入りすることになりましてね(偶然というか事故というか、男としての責任は取ろうね、というか)…

『世界遺産』#563 ソロヴェツキー諸島の文化と歴史遺産群(ロシア)

ソロヴェツキー諸島−Wikipedia 15世紀の根性ある(まあロシア正教だしね)(寒い国で宗教っていかにも根性が必要そうじゃないですか、精神的っていうか、ほら肉体的な意味で)(ちょっと失礼な気がしないでもない)修道士二人が外界と隔絶された…

『世界遺産』#562 ザモシチ旧市街(ポーランド)

ザモシチ−Wikipedia ルネサンスの街並みを見て「この都市を祖国に持って帰りたい!」という野望を持ったのだというザモイスキさんなのですが、いやー、正直、侵略して自分の国の所属にするんでなくて良かったー、とか安心してたわけですが。 (そん…

「メキシコ史」フランソワ・ウェイミュレール

こう言っちゃ申し訳ないんですがイギリスの植民地などですと曲がりなりにも社会制度が先にあって、そこからの貢物を本国に送らせる、という体裁でそれが素晴らしいってんじゃないし最初からそうだったとは言わないんですが、搾取前提で管理システムを作り。 …

「エリゼ宮の食卓−その饗宴と美食外交」西川恵

大雑把にまあ、ワインの格付けにも縁がなく(格付けが存在する時点で「縁が遠い」)、料理の名前くらいは見たことがあるものの、その味だのワインとの相性だのはさっぱり、という人間にとっても面白かった、という時点で大したものだと思うんですが。 とりあ…

『食彩の王国』#196 芝えび

シバエビ−Wikipedia 語源辞典などを覗いてみても「芝浦で獲れたえび」だから柴えび、というのが一般的というか、妥当なようですが。現在は工業化、埋め立て化が進んでしまって獲れなくなってしまったようです。現在も東京湾以南、台湾くらいまでの…