2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「テンプル騎士団の謎」レジーヌ・ペルヌー

テンプル騎士団というのは“神殿”騎士団という意味で、どういうわけか「ユダヤ教徒はなんか食堂って呼ぶんだよねー」みたいな会話が確か本の中で交わされていたような気もするのですが、聖地に向かうための欧州からの巡礼者を守るために騎士団として設立され…

『食彩の王国』#195sp ベトナム縦断〜いのちのコメ紀行〜

ベトナム料理−Wikipedia とにかく米、米、米という番組だったのですが、実際向こうでは日本と食べられ方が全然違いますが立派な主食で。そういえば米不足の時にお隣のタイからもらったお米を余らせて激怒されたという話が有名ですが、なんで文化の…

『世界遺産』#561 キュー王立植物園(イギリス)

キューガーデン−Wikipedia 途中までは確かに優雅なイギリスの趣味の話を聞いていたと思ったんですが。 (しかし王家の必須趣味って、ガーデニングがその見た目に反してえらい体力勝負なのはよもやそのせいなのか。) なんかあれよあれよ、という間…

「EC市場統合」アルマン・ビザゲ

一言で感想をまとめてしまえば、フランス人ってひがみっぽいなぁ、というか、確かにECの“市場統合”ということを目論んでいる場合、域内各国の特色やデータというものは必要でしょうが、ものすごくぶっちゃけて日本のサービス産業の数値が多少低くても生活…

『世界遺産』#560 チュニス旧市街(チュニジア)

チュニス−Wikipedia 別にそれ自体に不満があるわけでもないですが、イスラム都市を取り上げるたんびにラマダーン明けの光景を見ているような気がするというかなんというか。まあ、街の祭とか結婚式とか家で寛いでいるところとかもあるけど。 なんか…

「フランスものしり紀行」紅山雪夫

正直言えばタイトルと、あと、ヨーロッパ篇やイタリア篇などを出している関係上、一冊の範囲は薄いのかな?(逆に言えば、まあ、それでも許せるというか) と思わないでもなかったんですが、失礼致しました、もちろんあくまで地域順である関係上、完全に歴史…

『食彩の王国』#194 ごま油

ごま油−Wikipedia ところでなんで炒るとたくさん油が絞れるようになるのかのメカニズムがわからんわけですが、とりあえず、取るが大変であるほど高級とされ、生で絞るほんの少ししか取れない油は髪の手入れとかに使われたりするそうです。て、ちょ…

「双頭の鷲(下」佐藤賢一

まあ、こういう一生涯を扱った物語の後半生が勢いが落ちる、というのはある意味で仕方のないことというか、上巻のほうが面白かったな、というのが実感ではあるのですが、でも全ての親子関係が「綺麗にまとまった」のはちょっと蛇足に感じたというか。 (お嫁…

「双頭の鷲(上」佐藤賢一

正直なところナショナリズムの台頭はあれど、「この」流れとはあまり関係のないところから生まれてきたというか、この“百年戦争”そのものがむしろ両国民に“イギリス”(というかイングランドですが)、“フランス”の意識を生じさせたのかもしれないねぇ、とい…

『美の巨人たち』オーギュスト・ロダン「接吻」(フランス)

オーギュスト・ロダン−Wikipedia (1840.11/12−1917.11/17) 一通り聞いた段階で「ああ、高村光太郎か」「東京には空がないね」と会話を交わすのはとりあえず一般レベルの日本人で充分ではないのかと思うわけですが。想像から…

「中央線誕生−甲武鉄道の開業に賭けた挑戦者たち」中村建治

ええと、今のJR中央線がどっからどこまでつながってるのか、というと正直なところよくわからないんですが(お隣の路線の沿線住人です)、新宿と八王子の間と、東京駅、、、ではなかったんですが、まあ新宿を中間点に東京を横断してますね。 んでこれ、もと…

『世界遺産』#559 屋久島 II(日本)

屋久島−Wikipedia 同じ世界遺産の白神山地の土地の人らは確か山に入ることを禁止されていたと思うのですが、まあ、商業行為と見做されたか宗教・慣習として見做されたかの違いということなのかなぁ、日本ってあんまりその境い目がないもので。 自然…

『食彩の王国』#193 北海道・新じゃが

川田龍吉−Wikipedia だいたい今から100年くらい前のことなのだそうですが、まあ、栄養はあるんだけど、北海道の土地で育つものからして少ないんだから、ということで我慢されてはいたものの、どうにもじゃがいもの味はよろしくなかったそうで。 …

「東ゴート興亡記」松谷健二

もちろん“彼ら”の移動については昔から、やれ食い詰めたのだ、人口増加だ、いや、気候変動が、といろいろ言われているわけですが(どれも正しいんだと思います)、でも本当にそれだけかぁ? と疑問に思う著者さんももっともで。 ゴート、というのはそもそも…

『新シルクロード 激動の大地をゆく』第6集/“希望”の門 トルコとクルド・2つの思い

トルコの迫害はEU加盟の関係で和らぎ、正直、イラクでの扱いも到底よくなかっただろう、というが実際ぽちぽち話を聞いていた記憶もあるのですが、アメリカが来て、現在は自治区ができたのだそうですよ。というこの回の主題は。 現時点で国を持たない最大の…

「百年戦争−国家財政と軍隊」山瀬善一

“百年戦争”というのはイギリスとフランスの戦争で。 まあ、詳細は省きますが、これより昔、フランスの地方豪族がイングランドの地を征服し、王族にフランス王家の血が流れ込んだため、フランス側で王家が断絶した時、今から聞くとちょっと信じられないことに…

「イングランド紀行(下」プリーストリー

正直こう、食器工場の職人の方たちの「馬鹿にされたくない」という気持ちはとてもよくわかるものの、永遠の男の子を自認する(だと思う、亡くなる瞬間まで馬鹿やってるよ、という宣言だと受け取ったんですがどうでしょう)著者さんの「つくるんだーつくるん…

『美の巨人たち』川合玉堂「早乙女」(日本)

川合玉堂−Wikipedia (1873.11/24−1957.06/30) 母上が偶然知ってたんですが、というか、青梅のほうではちょっと名の知れた人のようで。なんでも彼の師匠筋の橋本雅邦氏の息子さん? だかお孫さんも知っているのだとか。学校の…

『パール判事は何を問いかけたのか』−東京裁判・知られざる攻防

私長いことこのパール判事という人のことを誤解してまして、いや、東京裁判と結び付けての存在だということと、ある意味で中心的な役割を果たした人だということは当たってるといえば当たってるんですが、なんというのかかなり反逆的な方だったんですね。 と…

「イングランド紀行(上」プリーストリー

とりあえず、日曜日(は安息日ですが、キリスト教のじゃないんだそうですね、あらあら)に娯楽のほとんどが禁止されたどっか捩れた都市の様子に嘆くくらいは誰でもするのではないかと思うのですが、娯楽を強制した法律もなければ、禁酒主義者に一定のアルコ…

「フランス語はどんな言葉か」田辺保

個人的にはこの前読んだ料理の本と同じく、少しでも“フランス語の歴史”や成り立ち、誕生や起源に触れてないかなぁ、という目的で手に取ったのですが(ならなんで『フランス語の歴史』というまんまの本を手に取らなかったのか、というと、ぶっちゃけてフラン…

『A級戦犯は何を語ったのか』−東京裁判・尋問調書より

東京裁判やA級戦犯はよく不当な裁判だ、と言われているわけですが。 特にその相手を責める論調がないとは思ってたんですが、、、うんまあ、努力はしてるよね。自己弁護を潔しとしない民族を相手に取調べして「言い逃れてるだけだ」と判断してしまうのもなん…

「日本の私鉄10 東武」カラーブックス・第2シリーズ、花上嘉成/諸河久

同じカラーブックスの第1シリーズ(便宜上)から10年後の1991年刊行で、とりあえず東武東上線と今のメトロ有楽町線との乗り入れ開始からちょっとずつ車両が新設されるようになったとのことでなによりです、うん、車両デザインがどうこうとか私は言う…

『食彩の王国』#192 イチジク

イチジク−Wikipedia Wiki君の“イチジク属”には、花がなくて実がなっているように見えるが「そんなわけはないのであって」というようなことが書いてあるわけですが、よく考えたら花を知らない植物なんて案外ある現代人にそうそうピンとくるわけ…

『世界遺産』#558 屋久島 I(日本)

屋久杉−Wikipedia でも7200年前でなく、2100年前でもこの国は立派に縄文時代なわけですが。基本的に樹齢ってのは一部をくり抜いて年輪を見るものなのですが、さすがにどう見積もっても数千年はガチな木にそんなこと出来ないしなぁ。。。 外…

「マメな豆の話−世界の豆食文化をたずねて」吉田よし子

そういえば日本でも大豆といえば思い浮かぶのはまず数々の加工食品か枝豆しかないのですが(根拠はないんですが、私の個人的感慨ではないように思えます)。 「そこ」に毒となる成分が含まれていて(豆はほとんどが有毒なのだそうです)、それを食べるための…

『美の巨人たち』ジョルジュ・スーラ「ポール・アン・ベッサン満潮時の外港」(フランス)

ジョルジュ・スーラ−Wikipedia (1859.12/02−1891.03/29) モネに憧れ、モネの描く光に焦がれ「すぎた」ためにどう道を踏み外すのかと思ってたら科学かよ! 科学の世界に入っちゃってじきに目に見える光がプリズムであること、…

「パクス・ロマーナ(中」ローマ人の物語15、塩野七生

細かい失敗はあるし、欠点もあるもののそのフォロー能力に長けた(ある意味、戦争が苦手だった分、特に強い態度に出られなかったことを考えるとその部分に関しては先代を超えているかもしれませんね)カエサルの後継者の2冊め。 戦争に弱い分、ちゃんと撤退…

『世界遺産』#557 プランタン−モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体(ベルギー)

プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体−Wikipedia 活字印刷の、まあ、中興の祖みたいな感じ? 若い頃に暴漢に襲われて身体の自由を失ってしまい、印刷業に携われなくなってしまった彼は、よっしゃーそれならば、と工場を造って共同流れ…

「パクス・ロマーナ(上」ローマ人の物語14、塩野七生

ユリウス・カエサルの後継者争いとしての内戦を経て、本格的に“オクタビアヌスの章”へと突入したわけですが、まずこの方は体が弱い、戦も弱い(カエサルさんが付けてくれていた軍事上のパートナーも、どっちかというと手堅い極地戦向き)(ぶっちゃけて必要…