「EC市場統合」アルマン・ビザゲ

一言で感想をまとめてしまえば、フランス人ってひがみっぽいなぁ、というか、確かにECの“市場統合”ということを目論んでいる場合、域内各国の特色やデータというものは必要でしょうが、ものすごくぶっちゃけて日本のサービス産業の数値が多少低くても生活水準が低いわけでもなし(むしろ金掛けなくても快適に過ごせるというか)。
ヨーロッパ諸国内ならある程度、数値で一般化出来るんでしょうが、アメリカや日本(どうも絶好調の頃のようですが、バブル期だよなこれ)、まで持ち出してこの部分で負けたの勝ったの助言だのとやかましいっていうか、そんなことに拘ってるから駄目なんじゃねぇのというか、少なくともこの本のテーマで申し述べることではないよなぁ。
いや、これでフランスと日本の社会の違いを論じた本でなら「日本への助言」も自然な流れだとは思うんですが、EC市場を語ってる時は違うんじゃね? というか。


まあ、市場にしろ経済にしろ、開放することで利益を得る国もあるし、そうでない国もあるとだとか、国家間の合併企業は政府の側で主導は行わず、優遇政策によって民間の流れに任せようとか。
EC域内の犯罪についてもやりやすくなっちゃいかん(特に武器、麻薬)、制度の“強制はしない”という約束事、多数決を適用する場合とそうでない場合(国内事情を優先する場合がこれに当てはまるようです)、その多数決で決めない場合の少数意見の国の扱い方。
域内のサービス産業の流通を発達させようする動きに先駆けて、どうもエンターテイメントに関しては一足先に先行しているとか、扱っている内容は非常に細やかで、正直他の国の本では見ないこともあり、ちょっと感心したのですが。
うん、悪い人(本です)ではないんですが、感情的でさえなければなー。