2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「激安エアラインの時代-なぜ安いのか、本当に安全なのか」杉浦一機

正直この著者さんにはピーチ・アビエーションの評価を聞いてみたい気になるものの、LCCの本格導入(スカイマークや地方拠点路線は段階的存在という位置づけ)の少しあとに刊行された本なのでこういうタイトルになっただけで実際には「日本のLCC前史」…

「神道-日本が誇る「仕組み」」武光誠

現在「神仏習合」から「廃仏毀釈」に至って「国家神道」となるという神道の歴史系統の本を読んでいるところだったので、正直なところこの本がそちらより読み応えがあったかというと疑問なんですが、うーん、わりと取り扱い範囲や時代が広いという著者さんで…

「律令国家の対蝦夷政策・相馬の製鉄遺跡群」遺跡を学ぶ021、飯村均

律令国家の対蝦夷政策―相馬の製鉄遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 飯村均 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2005/11 メディア: 単行本 クリック: 7回 この商品を含むブログ (3件) を見る 前に同じシリーズの多賀柵(多賀城)という蝦夷地対策の前線基…

「〔江戸-東京〕河岸綺譚」INAX album.16、榧野八束

日本橋の界隈には水路が縦横無尽に通っていて、それこそ升目ごとというような勢いで橋が架かっているような地図を見たことがあったんですが(微妙にどの橋にどこの住人という意識があったらしいみたいな本も読んだことあるなw)、その時代にあったという河…

「世界をリードした磁器窯・肥前窯」遺跡を学ぶ005、大橋康二

世界をリードした磁器窯・肥前窯 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 大橋康二 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2004/04 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る この表紙にあるのは肥前窯(ひぜんがま)、と読むのかな。旧国名で今の九州…

「古代・中世の女性と仏教」日本史リブレット016、勝浦令子

古代・中世の女性と仏教 (日本史リブレット) 作者: 勝浦令子 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2003/03 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 正直この本の著者さんはわりと一続きの教えとして扱ってはいるものの、「修行の場にお…

『日本の美術6 刀剣』佐藤寒山・編

昭和41年の刊行で、雑誌スタイルだと認識すればいいのかな(表紙には「10月号」らしき表示も)、大雑把に読んで感じたのはこの当時は今よりもはるかにこの手の本の需要があったのだろうこと、初心者が読むことはそれほど想定されていないだろうこと、多…

「武田軍団を支えた甲州金・湯之奥金山」遺跡を学ぶ039、谷口一夫

武田軍団を支えた甲州金―湯之奥金山 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 谷口一夫 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2007/09 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログを見る 甲斐金山というのはわりと名前を聞くことがあるので、もう少し研究が進…

「呪術と占星の戦国史」小和田哲男

タイトルが呪術と占星という内容だったのでもう少しオカルトな内容を期待してしまったんですが、占星も呪術もあくまで専門家のお仕事だったのね? という。まー、多分あれ、今よりも日付けに関しての忌避感覚が非常に鋭く、方向に関しても多少の拘りがあり、…

「家康はなぜ江戸を選んだか」江戸東京ライブラリー9、岡野友彦

かつて江戸東京博物館におられた著者さんは時折質問を受けるそうなのですが、そもそも「江戸」という地名は一体なんですか、というところから詰まるらしく、まあ湊って意味じゃないのかな、というのが妥当なところですかね。類似の地名が結構全国にあるし、…

「加悦鉄道(下-丹後ちりめんを運んだ「絹の鉄道」」LIBRARY-181、NPO法人加悦鐵道保存会

加悦鉄道(下) -丹後ちりめんを運んだ「絹の鉄道」- (RM LIBRARY 181) 作者: NPO法人加悦鐵道保存会 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 2014/08/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 上巻でざっと加悦鉄道の廃線ま…

「加悦鉄道(上-丹後ちりめんを運んだ「絹の鉄道」」LIBRARY-180、NPO法人加悦鐵道保存会

加悦鉄道(上) -丹後ちりめんを運んだ「絹の鉄道」- (RM LIBRARY 180) 作者: NPO法人加悦鐵道保存会 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 2014/07/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 大正15年開業の、えーと、7…

「明治外交官物語-鹿鳴館の時代」犬塚孝明

結局この本の中でずっと悲願となっていた関税自主権(まあ治外法権は地位が同等になればそこまで問題でもなくなるんだ自然に、初期には一番揉めるけども)の撤廃はこのあとの時代に成功ということになるんですが、だからってその時代にだけ原因があるという…

「鉄道と文化」原田勝正/小池滋/青木栄一/宇田正一・編

前半第1章が近代化の話で、後半第2章が文化(文化現象ってなってますが)との絡みについて、という構成で、わりと定番の面子というか、この辺の人たちって結構つるんでますよね? どういう集団なのかちょっとわかんないんですが、専門分野や経歴などにそこ…

「エアライン敗戦-格安航空来襲とJAL破綻」杉浦一機

本は2010年の刊行なのでJALの経営破綻、あの時はなんだったっけかな(これ書いてる2015年1月現在にスカイマークが民事再生申請です)、どういう事情なのかをよく把握してなかったんですが、高コスト体質なところでリストラが遅れ、2008年の…

「木戸孝允-「勤王の志士」の本音と建前」日本史リブレット人070、一坂太郎

木戸孝允―「勤王の志士」の本音と建前 (日本史リブレット人) 作者: 一坂太郎 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2010/07 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 5回 この商品を含むブログを見る この一つ前に読んでいた同レーベルの『大久保利通』が当人…

「房総地方史の研究」地方史研究協議会・編

中世の東国の本などを読んでいるとどちらかというと上総下総くらいが「文明の土地」として出てきて周辺の田舎っぷりと対象的に扱われていることがあるような印象なのですが、基本的には食糧倉庫であるというのが近世くらいに至るまでの共通事項として認識し…

「古事記と日本書紀-「天皇神話」の歴史」神野志隆光

とりあえず現在は『古事記』と『日本書紀』は別物であるらしいというのはわりと語られていることが多いものの(この本が1999年って15年以上前だよびっくりだよ)、どのような関係であるのかなんてのはあんまり見たことがないんですが。どちらかという…

「日本人なら知っておきたい名家・名門-“由緒ある家柄”から日本史を読む方法」武光誠

日本人なら知っておきたい名家・名門―“由緒ある家柄”から日本史を読む方法 (KAWADE夢新書) 作者: 武光誠 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2007/11 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (2件) を見る 非常にたくさん本を出している著者…

「蒸気機関車の動態保存-地方私鉄の救世主になりうるか」交通新聞社新書045、青田孝

蒸気機関車の動態保存 (交通新聞社新書) 作者: 青田孝 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2016/01/08 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 私あんまりSLって言葉が好きじゃなくて、理由みたいなものは今もよくわからないんですけどね(なに…

「横浜正金銀行」教育社歴史新書 日本史146、土方晋

かつて「国内は日本銀行、国外は横浜正金銀行」という事実上の中央銀行の片割れとして存在し、一時期は国内の銀行の総取引よりも多額の取引を行い(含む日本銀行)(正直、横浜正金銀行の日本銀行への吸収案も出るわこりゃ)、戦後すぐに解体指定を受けての…

『岩波講座現代都市政策2-市民参加』

この巻で一番印象的だったのが市民同士の階級が相互に交流がなくなり、不理解が増える、という章だったんですが、これを「全権がないのに全権があると勘違いされる窓口の役人」で例えていたのがわかりやすかったんですが。多分これ、最近はそこまで数がなく…

「関東河川水運史の研究」丹治健蔵

とりあえずこれは完全な論文集なので、少なくともここから読み始めるべきではなかったな、とか、私はどちらかというた多摩川水系の人間なんですが(いや水道の水源が、とりあえず周辺に川ないです)、利根川水系のことはわからないなぁ、とか、ただ、少し前…

「地図で読む東京大空襲-両国生まれの実体験をもとに」菊地正浩

わりと最近語られるようになった東京大空襲の側面として、どうもアメリカ側は関東大震災の被害地図を元に無差別攻撃の目標地域を決めていたのではないか、ということを思い出しながら読むことになったんですが、この著者さんのお母さんやお爺さんの世代だと…

「江戸東京歴史散歩(2 都心・山の手編」江戸東京散策倶楽部

これの1巻で主に東側の下町(ってももとは江戸の市外地なんですが)や千代田区やら皇居なんかの東京駅辺りまでを触れて、この巻では港区や品川区なんか、千代田区と同じくお屋敷街や大使館なんかが多い印象なんですが、要するにかつては大名屋敷とか武家屋…

「維新期の街道と輸送」山本弘文

1972年の刊行でこのあと一回増補されているんですね、あー、いかにも補足出来る内容ありそうだしなぁ。すごく大雑把にかつて江戸五街道が幕府の手によって整備され宿郷・助郷制度によってその負担を分担していたものの、そもそも責任の所在が曖昧になり…

「国鉄/JR列車編成の謎を解く-編成から見た鉄道の不思議と疑問」交通新聞社新書022、佐藤正樹

国鉄/JR列車編成の謎を解く―編成から見た鉄道の不思議と疑問 (交通新聞社新書) 作者: 佐藤正樹 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2010/10 メディア: 新書 クリック: 3回 この商品を含むブログ (4件) を見る わりと全体的にわかりやすい本だったんですが…

『週刊 ダイヤモンド』2013年12月21日号「東京電力 救済で笑うのは誰か」

もともと親族が経産省関係の仕事で東京電力に関わったこともあって、原発反対派ではないものの、東京電力に対してあまりに極端な評価を下すので、大仰な、と思っていて、今回の事件後(補償を国が行なうことや、東電に事故責任まで負わすのが妥当という考え…

「神社とは何か? お寺とは何か?」PenBOOKS、武光誠・監修

神社とお寺での一番の違いは「拍手を打つ」かどうかの違いで、お寺では打たないからね、気を付けてね、だとか、礼は特に神社で重要みたい(ご挨拶らしいです、柏では気付いて貰うためって説があるんだね)、とか、お手水は両方にあるしややこしいよねー、だ…

「本当は恐ろしい江戸時代」八幡和郎

ものすごくざっくりと言えば江戸時代というのは中央集権が極まった状態で、江戸やその周辺が(上方はよく生活状態知らないんですよね)そこまで悪い生活ではなかったのは事実なものの、それは度々の飢饉による餓死者の頻発や、非常に自由度の少ない各人の犠…