2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「エドワード三世」シェイクスピア

正直この『エドワード三世』がシェイクスピアの真作かどうかが怪しい、ということは前から薄っすら聞いていたのですが(むしろシェイクスピア以外の劇作家知らね)、ある意味で逆に「最後に残った疑問視されている作品」と聞くと、それはそれで価値があるよ…

「略奪の海 カリブ−もうひとつのラテン・アメリカ史」増田義郎

この辺の歴史に全く詳しくなければ特に違和感はないかな、と思うんですが、スペイン(本の中では一貫して“エスパニャ”)の対イングランド(この時代だと正確には)のアルマダ海戦って要するにイングランド本土への侵略目的だった、という記述が皆無とか。 (…

「ヴァイキング−世界史を変えた海の戦士」荒正人

正直日本人的には、「なぜ食べ放題のことをバイキングって呼ぶの?」という興味が先にたってしまう体たらくなんですが(北欧由来のビュッフェを、当時日本で公開していた映画の食事シーンになぞらえたのがきっかけみたいですね)(つまり日本特有か)、もと…

「ド・ゴール」G.ボヌール

第二次世界大戦の頃、フランス大陸でドイツ軍に降伏した“ヴィシー政権”(ヴィシーは臨時政府の移った場所の地名)に対し、イギリスに渡り、ロンドンで展開していた“自由フランス”の党首というか、下手すると一人きりだった頃から諦めずに粘っていたのがこの…

「戦艦入門−動く大要塞徹底研究」佐藤和正

戦艦というのはあれですね“戦艦大和”とかのあれですね、ちなみに宇宙に飛び出して行かなくなってから(脳内で)、まだ半年かどうかといったところなので、詳しいかというと詳しくないというか、やっと本がきちんと一冊読めた! とかそんなレベルです、戦記っ…

「対独協力の歴史」ジャン・ドフラーヌ

正直申し上げて“欧州共同体”というものが、フランス−ドイツの協力関係からまず誕生したとのことなので(相互の軍事監視システム)、その本を期待していたのですが。 時代背景はww2、ドイツ軍の占領に対し積極消極にか関わらず、フランス国内で彼らに協力…

旅ch「ちょっと贅沢!欧州列車旅行」ベルゲン市内観光(ノルウェー)

テレビ東京で放送していたので久々に見てみたのですが、うーん、10分番組だけあって思った以上に薄かったような、気が。というか列車出てきましたっけか、最初のほうには出てきたのかな、最後にも乗って他の土地に移動しないのかな、わからない...orz (あ…

「断崖の骨」アーロン・エルキンズ

この話に正直、パウンドベリー人(愛称・パミー)が関わっていることは、ほとんど旧友の登場と相前後して察することが出来ると思うんですが(これ自体は謎の本質ではないというか、パミーの記述が濃すぎると思うんだよね、無関係だとすると)(いやまあ、関…

「ローマ教皇検死録−ヴァティカンをめぐる医学史」小長谷正明

ローマ教皇というのはとりあえず、カソリックの首長であって相対的に見てキリスト教徒の中で一番偉い人で(プロテスタントや東方正教会は“代表”はしてなくても、まあ、キリスト教会の中での最高位とは言ってもいいかなと)、検死というのは遺体の表面観察に…

「パナマ運河−その水に影を映した人びと」山口広次

この本によると要するに、パナマの独立に関してアメリカの後押しを引き出す、と言って無理にねじ込んできたフランス人が(フランス人レセップスの“パナマ運河”計画関係者)、独立後のパナマにて外交的な地位を要求し。 その足でアメリカに直行、パナマ政府の…

「オランダ紀行−街道をゆく35」司馬遼太郎

司馬遼太郎氏の“街道をゆく”の一冊でぶっちゃけまして、やっぱり情報は古い、でも物の見方そのものは案外新しい、というより我々がまだ「司馬史観」の範疇の中に収まってしまうのだ、と考えたほうが通りが良さそうです、、、というか、かつて鎖国化の日本と…

「ヨーロッパ統合」鴨武彦

正直言って、あまり面白い本とは言い難かったというか“同時代性”が強く、本が古いというのは仕方のないことではあるんですが、新書などより些か専門性が高いために逆に単なる事実の羅列としても読めず(時代によって解釈そのものが変化するんですよね)、さ…

旅ch「ちょっと贅沢!欧州列車旅行」#9 北欧のヴェニス・ストックホルム

スウェーデンのストックホルムはすみません、前に疫病の番組で見たことがあったくらいなんですが(伝染病である天然痘でした、以降医療制度を見直したのだとか)、へー、北欧のヴェニスって呼ばれているんですか、でも、運河が街の中にまで入り込んでいる土…

「大航海時代へのイベリア−スペイン植民地主義の形成」飯塚一郎

そもそも正直、私だけに限らす、日本人は多くそうなのではないかと思われるのですが現在のスペインという国はかつて「日の沈まぬ国」という言葉と、大航海時代の牽引役、アメリカ大陸の“発見”の支援者、無敵艦隊と当時は弱小国でしかなかった対イングランド…

旅ch「ちょっと贅沢!欧州列車旅行」#8 アンデルセンの愛した地・コペンハーゲン

さすがに私も、アンデルセンと高級陶磁器“ロイヤル・コペンハーゲン”くらいは名前を知っていたのでわりと楽しく見れたんですが、2級品なのかもしれませんがアウトレットショップにすっごい無造作に積まれていたのを見てちょっとだけショックをw あれ、外国…

「香港−旅の雑学ノート」山口文憲

かつて“99年間”のイギリス統治下にあり、「その頃のほうが良かった」という言葉を正直話半分に聞いていたんですが(単に西側の情報を信用していないだけです、ぶっちゃけて経験則)。すみませんでした、なんか有名な無法地帯があることは知っていたんです…

「ガリカニスム−フランスにおける国家と教会」エメ・ジョルジュ,マルティモール

そもそもヨーロッパの国々では「ローマ教皇によって各国の王が任命される」という建て前がありまして(これはどうも、ローマ帝国からのつながりなんですが、これ自体もまたややこしい歴史が)、とはいえ、実際にはそれぞれの国の現実、“俗世の権力”によって…

「ムハンマド・アリー−近代エジプトの苦悩と曙光と」岩永博

とりあえずこう、エジプト近代化の基礎を、と言われたら多分誰も反対しないのでしょうが、こういう人物によく付けられている「父」の言葉がどうも似合わないというか。 (トルコ近代の父アタテュルクとか、エジプトだとナセル大統領とか。) その意図がわか…

『都市と防災’08』#11 都市の被害抑止対策

この回から14回までが第3部の【各論:都市防災上の取り組みと事例の紹介】。すでにされてきた説明の詳細や具体例について、という内容だと思うんですが。 まず構造物による被害抑止の話、危険に対して耐える構造物を作るということ。 このあとで日本の建築…

「物語ラテン・アメリカの歴史−未来の大陸」増田義郎

まあさすがに“ラテンアメリカ史”をゴンドワナ大陸から語り始める本は他になかなかないのではないかなぁ、と思わないでもないんですが(中南米だとまだ地名ですが、ラテン・アメリカともなると人種から来た名称ですよね、一番遠い)、要はそこから分化して以…

「図説 ロマネスクの教会堂」辻本敬子,ダーリング益代

この、ロマネスク、という言葉自体が“ローマ式の復興”というような意味があるようですが、個人的には説明を聞いている限りは、技術がほとんど全て失われた後、また一から自分たちで作り上げていったような気もするなぁ、という中世ヨーロッパ初期の話。 とり…

「シャルルマーニュ」ジョゼフ・カルメット

どちらかというとこの“シャルルマーニュ”という呼び方よりも、ドイツ読みのカール大帝のほうが聞いたことがあるかなぁ、まあ、どちらにしても聞いたことがある程度という人が一番多そうだなぁ、と思うのですが(シャルルマーニュに「皇帝」という意味が含ま…

「カンボジア最前線」熊岡路矢

国連派遣の選挙監視委員(有償ボランティア)の方の本と、国連の大雑把な関与と、それからカンボジアに伝わる伝統的な織りの復活を、と志している日本人の方の本を読んで国内の荒廃も、人びとの希望のなさもわからないでもないのですが。 さて「カンボジアっ…

「中世イタリア商人の世界−ルネサンス前夜の年代記」清水広一郎

中世イタリア商人、と銘打たれてはいますが実際に本の中で扱われていたのはフィレンツェの商人で『新年代記』(Wiki先生の表記に合わせます)の著者であるジョバンニ・ヴィッラーニについてで、ちょうど『神曲』を書いたダンテのだいたい一世代あとの人…

「セイシェルスと私−インド洋に浮かぶ楽園」塩月正雄

インド洋に浮かぶアフリカ寄り、現代の(ちょっと古い本ですけどね、昭和52年発行だと私が生まれた年だなぁ)楽園に魅せられた、という人物のセーシェルという諸島国家の本なのですが。 正直、常識で考えても娘の事実上の仲人から宿泊料金は取らん気がしま…

「生贄たちの狂宴(下」デヴィッド・ヒューソン

本を最後まで読み終わってみると、何人もの思惑が絡み合った非常に複雑な「仕掛け」だった、ということが判明し、正直、この犯人の動機がわかるか、というとそういうことはないんですが(でも同情の一つも請うでもなく、さっさと消えてしまっていますし、そ…

「貧困の精神病理:ペルー社会とマチスタ」大平健

まあ、一言で言ってしまえば“マチスタ”というのは精神医学の用語でもなんでもなく、土地の男たちが日々心掛け、女たちが諦めとともに許容し、男の子どもたちが恐れながら「憧れる」将来像ではあるようなのですが(一言じゃねぇな)。 日本に置き換えるともの…

『探検バクモン』究極のお宝映像を発掘せよ!〜NHKアーカイブス

NHKアーカイブスってちょっと前から気になっているんですが(『ブラタモリ』の古いシーズンの回が見たいんですよ)、今は埼玉県にしかないのかなぁ? 記憶にある限りでは渋谷にあったと思っていたんですが、あと微妙に全部見られるのかどうかがわからない…

「生贄たちの狂宴(上」デヴィッド・ヒューソン

まあものすごく正直に申し上げて「イギリス人が書いたイタリア・ローマ」の警察小説、というのが妙にしっくりくるのは多分後知恵というものだとは思うんですが、でも、主な語り部である相方を悲劇的に失ったばかりの若手警官を筆頭に。 今まで順調に歩んでき…

『都市と防災’08』#10 延焼火災とその対応

世界の著名な市街地大火の1位が1923年の関東大震災で34.71k㎡、2位が江戸の明暦3年(1657年)の28.79k㎡、これ「明暦の大火」だよな。それから1772年の明和9年、ひょっとして「振袖火事」かな? 大阪の享保9年(1724年)が…