「シャルルマーニュ」ジョゼフ・カルメット

どちらかというとこの“シャルルマーニュ”という呼び方よりも、ドイツ読みのカール大帝のほうが聞いたことがあるかなぁ、まあ、どちらにしても聞いたことがある程度という人が一番多そうだなぁ、と思うのですが(シャルルマーニュに「皇帝」という意味が含まれているそうです、フランス読みですね)。
大雑把に現フランスの地にあったフランク王国カロリング朝の最大版図。
イタリア/ドイツ/フランスの征服を成し遂げ、ローマ教皇庁の意向によってその当時断絶して久しかった「西ローマ帝国」の皇帝の位に着いた、という人物で。
正直申し上げて、私に限らんと日本人ではその意義を理解するのは難しそうだな、ということを掛け値なしに思うのですが、この後、この皇帝位は現在のドイツの地に存在(するようなしないような)する「神聖ローマ帝国」という国に引き継がれ、フランスは皇帝位などに拘らない堅実な道を歩んでいった、という表現をされることが多いともなると、ますますわからない、要するに、いいことなのか悪いことなのか。
(とはいえ、シャルルマーニュの時代にはそれが相当ではあったんですよね。)
神聖ローマ帝国は権力を持たないのに地位だけあったのが悲劇だったわけですし。)
現在はEU≪欧州共同体≫の精神はシャルルマーニュから、と言われるようなこともあるようです、あーまあ、フランス−ドイツの良好な関係がそこで終わってるからですかね(身も蓋もないですね、いや、私の突っ込みがじゃなくて歴史そのものが)。


どちらかというとこの時代の文化促進の動き、最近の研究者によってカロリングルネサンス、と呼ばれる活動のほうが面白かったんですが、あー、これも要するにヨーロッパ中心部よりも辺境地域のほうが文化の保存度が良かったということになるんですねぇ、うーむ。