いぎりす・UK

「東インド会社とアジアの海」興亡の世界史15、羽田正

日本(の長崎)における南蛮貿易というのは、別に欧州との物品を貿易していたというわけでもなく、というのは初めて聞いたものの、よく考えて見ると納得。確かに距離的にかなり難易度が高いし、日本が欲しがるようなものは持っていなかった、むしろ日本が貿…

「イギリス・ルネサンスの女たち−華麗なる女の時代」石井美樹子

まあ大雑把にイギリスの歴史を述べると、フランス(とは言っても当時はフランス王家の血統じゃないんだけどね、あとでその家がフランスの王家とも絡みました)からプランタジネットという家がやって参りまして、それがまあ、来歴が来歴だからなのかフランス…

「エリザベス−華麗なる孤独」石井美樹子

イングランド王家の(イギリスというか英国王家のではない、この時点でスコットランドは統一されていないので)(この次の時代に彼女のライバル的存在だったスコットランド・メアリの息子がエリザベス1世の後を継ぐ形で両家を統一)エリザベス1世は、まあ…

「エロティックな大英帝国−紳士アシュビーの秘密の生涯」小林章夫

大雑把にタイトルを見てもうちょっと下世話でスキャンダラスな内容を期待した人も多いのではないかと思うのですが(それこそあれですね、ちょっとお堅いイメージのある英国・ヴィクトリア朝の裏の顔というか)、イギリスの歴史本に馴染みある人なら次にまず…

「ドラゴン」アルケミスト双書、ジョイス・ハーグリーヴス

この本を最後まで見終わって(各々読むほどの分量がないし、全体的な分析をするにしてもちょっと統一性がなかったよな、同レーベルの『ストーンサークル』は対象が限られていたので結構読み応えがあったんですけどね)、結局のところ残ったのは「イングラン…

「シャーロック・ホームズの生れた家」ロナルド・ピアソール

シャーロック・ホームズというと探偵小説の黎明期(とはいえ、別に始めてってわけでもないし、それなりにブームに乗って現れたんだよね)、ヴィクトリア朝の末期から第一次世界大戦を経て、という英国の非常に微妙な時期を生きた作者によって生み出された、…

「エリザベス」トム・マクレガー

正直借りた時点で表紙が映画のものだったので、「ああ、映画のノベライズなんだな」ということは考えたのですが、うーん、端的に非常に文章が読みやすく、実際の歴史を知っているとちまちまぽちぽちと引っ掛かる部分はあったものの、映画的な改変なんだな、…

「オックスフォード ブリテン諸島の歴史(5」14・15世紀、ラルフ・グリフィス

まあそもそも「イギリス」という日本国内の呼び方はあかんのではないか、ということはわりと昔からよく言われているわけですが、大雑把に言うと英国を構成する主要地域であるイングランドのポルトガル訛り、という経緯自体にはそれほど悪気もないというか。 …

「エリザベス一世−大英帝国の幕あけ」青木道彦

イギリス、というか、英国の主要地域をなすイングランドの歴史は細かい人はノルマン・コンクエスト(いろんな意味で途中だと思いますあれ;)から、大雑把な方はこのエリザベス1世の父親である「イングランド史上最悪」の暗君とされるヘンリー8世時代のご…

「ヘンリー四世 第ニ部」シェイクスピア全集16、シェイクスピア

ここまで『エドワード三世』、『リチャード二世』そして『ヘンリー四世 第一部』という順番で読み進んできたんですが(時代順であって刊行順ではないです)、まずエドワード3世がフランスと戦い、その孫であり、フランスとの百年戦争の英雄的存在であるエド…

「アイヴァンホー(上」ウォルター・スコット

大雑把にフランス王とイングランド王(フランス王はさっさと国帰っちゃったけどね)(イングランド王は実際には十字軍から戻っても国には戻らなかったね)の連れ立っていった、というか第三回十字軍。 かつてフランスのノルマンディー地方からの侵略があった…

「アルフレッド王の戦い」C・ウォルター・ホッジズ

アルフレッド王というのはそもそも彼のお父さんの代に(末っ子だったっけ? ともかく直接王位を継いだのではなくて、お兄さんたちが順に戦死していったような時代でした)イングランドの七王国の統一を始め、当時はまだ首都ではなかったロンドンを含む南部イ…

「ヘンリー四世 第一部」シェイクスピア全集15、シェイクスピア

一つ前に読んだ(というより、時代が直接つながっているということなので順番に読んだのですが)「リチャード二世」の時代にクーデターによって王位を握ったヘンリー4世と、その息子である王子ハル、さらにその放蕩仲間であるフォールスタッフ。 そのリチャ…

「“ニッポン社会”入門−英国人記者の抱腹レポート」コリン・ジョイス

とりあえず、日本人の謙虚さに感動までしてくれてるのは、今まで見た中だとほぼイギリス人だけです、どこがどうしてそうなるのかはわかんないけど、大抵の欧米人種は辟易っていうか「わかんないでもないけど」が一番マシっていうか。 しかし、日本人化した、…

「エドワード三世」シェイクスピア

正直この『エドワード三世』がシェイクスピアの真作かどうかが怪しい、ということは前から薄っすら聞いていたのですが(むしろシェイクスピア以外の劇作家知らね)、ある意味で逆に「最後に残った疑問視されている作品」と聞くと、それはそれで価値があるよ…

「略奪の海 カリブ−もうひとつのラテン・アメリカ史」増田義郎

この辺の歴史に全く詳しくなければ特に違和感はないかな、と思うんですが、スペイン(本の中では一貫して“エスパニャ”)の対イングランド(この時代だと正確には)のアルマダ海戦って要するにイングランド本土への侵略目的だった、という記述が皆無とか。 (…

「イングランドの中世騎士−白銀の装甲兵たち」クリストファー・グラヴェット

そもそもこれ自体が19世紀に作られた概念だ、とも言われるのですが、イングランド王家によるフランス王位の要求から(等親でいうと実際近いです)、イングランドの大陸側領土からの撤退までを含めた百年あまりを指す≪英仏百年戦争≫と。 それに引き続いて起…

「ベーダ 英国民教会史」高橋博

そもそもイギリスというのはイングランドが訛ったもので、英国(連合王国)を形成する地域の一つなんですが、そのイングランドの形成よりもさらに昔、この島のアングロ・サクソン諸民族(他にケルト諸族がいます)を指して“七王国時代”と呼ばれていた頃。 そ…

『沸騰都市』#2 ロンドン 世界の首都を奪還せよ

プレミアリーグ−Wikipedia 個人的にロンドン、もとい英国が金融市場の主役から消えたという時点からちょっとした懐疑心を抱いているというか、自前の産業の競争力が足りないことがその理由だとしても自分から下りてったよねぇ、あの国?!(そして…

「ユーロトンネル:ドーバー海峡を結ぶテクノパワー」

英仏海峡トンネル−Wikipedia まあとりあえず、“ユーロトンネル”というのは建設会社の名前だよ、とWiki先生に怒られてしまったわけですが。そしてなんか、番組と項目の内容がぽちぽち食い違うのですが、名誉に関わるほどの内容もないし気にしな…

「スコットランド「ケルト」紀行」武部好伸

正直スコットランドというと、ウイスキーの生産地とはいえ、かなり早い時期に英国の地方として存在していたわりには(英国の国名に正式に含まれている北アイルランド、アイルランド紛争のある地ならともかくも)、そこらの小国よりよほど知名度が高いのでは…

「海賊キャプテン・ドレーク−イギリスを救った海の英雄」杉浦昭典

例えばまあ、とある海軍将校の裏の顔が海賊だった、などと聞いてしまえば、なんとも言えない嫌な気分になるものではないかと思うのですが(海賊自体に反権力めいたロマンはあるけど、権力と結びついた違法行為は全然別の話だよね)。 当時すでに“世界一有名…

「アーサー王伝説」アンヌ・ベルトゥロ

アーサー王というのはなんでもイングランドの地に、ローマの支配が去った後のだいたい5世紀くらいの時代(へー、そうなんだ)、キリスト教徒? なんですかね、として異民族の侵入に対抗した、という人なんだそうですが。 正直、なんでそんな時代に記録がこ…

『世界遺産』#561 キュー王立植物園(イギリス)

キューガーデン−Wikipedia 途中までは確かに優雅なイギリスの趣味の話を聞いていたと思ったんですが。 (しかし王家の必須趣味って、ガーデニングがその見た目に反してえらい体力勝負なのはよもやそのせいなのか。) なんかあれよあれよ、という間…

「百年戦争−国家財政と軍隊」山瀬善一

“百年戦争”というのはイギリスとフランスの戦争で。 まあ、詳細は省きますが、これより昔、フランスの地方豪族がイングランドの地を征服し、王族にフランス王家の血が流れ込んだため、フランス側で王家が断絶した時、今から聞くとちょっと信じられないことに…

「イングランド紀行(下」プリーストリー

正直こう、食器工場の職人の方たちの「馬鹿にされたくない」という気持ちはとてもよくわかるものの、永遠の男の子を自認する(だと思う、亡くなる瞬間まで馬鹿やってるよ、という宣言だと受け取ったんですがどうでしょう)著者さんの「つくるんだーつくるん…

「イングランド紀行(上」プリーストリー

とりあえず、日曜日(は安息日ですが、キリスト教のじゃないんだそうですね、あらあら)に娯楽のほとんどが禁止されたどっか捩れた都市の様子に嘆くくらいは誰でもするのではないかと思うのですが、娯楽を強制した法律もなければ、禁酒主義者に一定のアルコ…

「英仏百年戦争」佐藤賢一

イギリス側の“英雄”、黒太子エドワードは名前だけ。フランス側の“救世主”であるジャンヌ・ダルクはもちろん知ってはいたんですが、どうも民間で伝わっている話が有名になったのはずっとあとのナポレオンの時代なのだとか。 んで、当のタイトルの「英仏百年戦…

「とびきり愉快なイギリス史」ジョン・ファーマン

正直言って“教養がない”イギリス人ってのは各国の特徴を全て皮肉で諳んじていて(的確すぎて否定しにくいものはあるそうです)、歴史人物が時にじゃっきん、と首を切られたという話に対する耐性はばっちり、というところから始まりますもので。 まあ、日本人…

「バトル・オブ・ブリテン」リチャード・ハウ&デニス・リチャーズ

“イギリスを守った空の決戦”というのは第二次世界大戦時のドイツとの本土決戦のことを指して呼ぶそうなのですが(BOBなんて略語まで存在するよーですよ)、えーまあ、要するにナチスなドイツ軍は、ソ連に行く前にフランスを平らげたあと、さっくり短期間でイ…