「オックスフォード ブリテン諸島の歴史(5」14・15世紀、ラルフ・グリフィス

まあそもそも「イギリス」という日本国内の呼び方はあかんのではないか、ということはわりと昔からよく言われているわけですが、大雑把に言うと英国を構成する主要地域であるイングランドのポルトガル訛り、という経緯自体にはそれほど悪気もないというか。
まあ今更直るとも思えないのでせめてその辺の事情だけ知っておいて。
スコッチウィスキーはいっそ英国産ではなくてスコットランド産! とか覚えるとかそっちのほうがまだしも建設的ではないかなと思うんですが(どうせ相対的に知名度が低いはずのウェールズだってそんじょそこらのヨーロッパの小国より知名度上だし)。


ということから始まるとはあんまり予想してなかったんですが、まあ大雑把にこの本を表現すると「鬼のように国内事情にしか興味がない」本であってちょうどこの時期にフランスで行ってるはずの最近知名度の高い≪英仏百年戦争≫にしたところで税金絞られるとか、王家やら貴族が大陸フランスへの興味ばかりとか。
案外と実際、国内の意識はこんなものだったのかなぁ、と思えなくもないんですが。
とりあえずイングランドの風俗、特に英語が一番反動的だったアイルランドも含めて他の三地域に広まったのも、押し付けの結果というよりは便利だったからね、という側面が強いようで、むしろ押し付けると反発が起こるというのはなかなかわかりやすい図式。
全体的には13世紀ころにはイングランドがこのブリテン諸島の統一をすること出来そうだったものの、14世紀になるとあからさまに後退、ウェールズも一応支配下にはあるものの、いっそスコットランドよりも独自文化をよく保持し。
アイルランドに至っては素でイングランド系植民人が押されてる押されてる、ある意味でイングランドだけが国単位でまとまってたのがあとの時代の強みになるのかなぁ?