2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「日本刀全集(4 日本刀の流派の見どころ〈新刀・新々刀編〉」

前巻3巻の「古刀」に関してはだいぶマイナーな地域に関してまで載っていたし、そのわりにはわりとわかりやすくまとめてあったと思うんですが、この巻の新刀に関してはうーん、個人的には評価は難しいです、内容が駄目っていうわけではなくて時代背景に関し…

「中世の天皇観」日本史リブレット022、河内祥輔

中世の天皇観 (日本史リブレット) 作者: 河内祥輔 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2003/01 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (4件) を見る そもそも「万世一系」という言葉そのものが近代に出来たのだということは単純な事実なも…

「興亡-力をめぐる政治と経済」大谷健

興味があるのがどちらかというと明治から昭和の初期くらいに掛けて民間で大概戦国時代になって効率もへったくれもなかった、とよく聞く電力業界に関してで(風呂場と今の電力会社が違うとか昼と夜とで事業者が違うなどの混乱と言われてたあれです、それはた…

「植物の魔術」ジャック・ブロス

古いフランス人の作家が(つまり植物学の門外漢)、どうも読んでいる限りでは植物学そのものが変化している時代に、「ちょっと科学的なことに興味のある素人」であるところの読者に向けて書かれたのだろう本で、ものすごく正直なところを言えばナショナル・…

「鉄と人体の科学」岡田茂

鉄が少ない環境だとガンの増殖が抑えられるらしいんだよ、ということを聞いて渡されたのがこの本だったんですが、治療が難しいC型肝炎(ウィルス性なので、ウィルスも死ぬけど人間も非常に苦しいみたいな)も献血の要領で毎月血を抜いていけば増殖しにくく…

「古地図・古写真で見る東海道五十三次」別冊歴史読本21、今井金吾

もともと旧街道や江戸時代への興味から入ったわけではないもので(鉄道の建設初期の話だとどうしても前時代の事情が関係してくるので少しずつ)、この前に何冊か読んでいてようやっと宿場名には聞き覚えが出来てきたというところなんですが。神奈川県下の宿…

「東京空襲下の生活日録-「銃後」が戦場化した10カ月」早乙女勝元

そもそも「銃後」とはなんですか? という女子生徒の問いから始まったこの本、大雑把に女子どもに老人、本来の意味は戦場に出ていない兵士以外という意味だったのだろうと思うのですが、日本の敗戦直前の時期には、本当にほとんど全ての男が戦場に直接借り出…

「空港まで1時間は遠すぎる!?-現代「空港アクセス鉄道」事情」交通新聞社新書057、谷川一巳

空港まで1時間は遠すぎる!?―現代「空港アクセス鉄道」事情 (交通新聞社新書) 作者: 谷川一巳 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2013/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 空港そのものの事情と空港アクセスに関してを鉄道を中心に語…

「船舶-船と産業」図説・日本の産業2、星野久雄

船舶とのサイズ比較に新幹線(これはなんとなくわかる)と京王プラザホテルのシルエットが出てきていたので京王線の沿線住人としてはぷはっ、と笑ってしまったんですが、ふーん、昭和57年の時点でまだ代表的な高層建築だったのかもなぁ。(今ではすっかり…

「キハ07ものがたり(下」RM LIBRARY-36、岡田誠一

キハ07ものがたり〈下〉 (RM LIBRARY(36)) 作者: 岡田誠一 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 2002/07/01 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 上巻読んでいた時点ではよくわかっていなかったんですが、昭和32年の時…

「キハ07ものがたり(上」RM LIBRARY-35、岡田誠一

キハ07ものがたり〈上〉 (RM LIBRARY(35)) 作者: 岡田誠一 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 2002/05/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 前に同じレーベルで同じ著者さんの41000形? だっけ、「蒸気機関に引かれる客車」か…

「三菱グループ」入門新書 時事問題解説26、今雄一

同じシリーズの『三井グループ』を読んでからこの本を読んだのですが、うーん、思った以上にだいぶ差が付いていたなぁ、というのが正直なところかなぁ。戦前は概ね同格というか、どのような角度で見るかで三井三菱のどちらが上かは解釈が別れてたんですけど…

「日露戦後の日本経済」高村直助・編

私が読みたかったのは日露戦争ののちに重工業が急速な発達を見せた、という部分だったんですが(で、どうも関東大震災の頃までに都市人口の増加の原因になったらしいです、日露戦争が明治37年から38年まで、関東大震災は大正12年ですね)。それが直接…

「古地図で歩く江戸城・大名屋敷」別冊太陽 太陽の地図帖060、岡本哲志・監修

古地図で歩く江戸城・大名屋敷 (別冊太陽 太陽の地図帖) 作者: 岡本哲志 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2011/02/23 メディア: ムック クリック: 7回 この商品を含むブログを見る 前に読んでいた本で東海道沿いの大名行列は見物人が多い関係でどうしても華…

「原始集落を掘る・尖石遺跡」遺跡を学ぶ004、勅使河原彰

原始集落を掘る・尖石遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 勅使河原彰 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2004/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る もともと遺跡があることが戦前から(なにしろ宮家の人がわざわざ来るくらいだしね)あることは…

「図説 平清盛がよくわかる! -厳島神社と平家納経」日下力・監修

図説 平清盛がよくわかる! 厳島神社と平家納経 (青春新書インテリジェンス) 作者: 日下 力 出版社/メーカー: 青春出版社 発売日: 2012/01/06 メディア: 新書 クリック: 4回 この商品を含むブログ (1件) を見る とりあえずなんのために読んだのかというとこ…

「明治維新と領土問題」教育社歴史新書 日本史144、安岡昭男

対ロシアの北方領土問題、対中国の沖縄(琉球王国)と台湾問題、そして欧米人が事実上の雑居をしていた小笠原諸島問題とが順番に語られている本だったんですが(完全に分離はしていないものの、概ね順番に扱われていたようです、当時の外交処理能力的に平行…

「東山文化-その背景と基層」平凡社ライブラリー、横井清

いささかありゃ、こっちの資料にしちゃったのか…みたいな部分があったので初心者向けかっていうと微妙だし、踏み込みって意味では足りないし、みたいな気持ちにはなったんですが、足利義政(8代)に関しての内容はいいんじゃないでしょうか、あと、日野富子…

「山梨交通鉄道線回想録」RM LIBRARY-5、花上嘉成

山梨交通鉄道線回想録 (RM library (5)) 作者: 花上嘉成 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 1999/12/01 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 私、ここで出て来た甲州街道の新宿近くなもので完全に認識が「甲州街道=国…

「大仏再建-中世民衆の熱狂」講談社選書メチエ56、五味文彦

最近この時代とこの「東大寺と興福寺の炎上」を続けて読んでいるので当然なものの、だいぶ何度も燃えた印象になってしまっているんですが…そういやこのあとにも室町時代の末期に燃えたんだっけ東大寺、ご愁傷様です。(室町時代には興福寺は無事でした、そう…

『日本の美術75 書院造』橋本文雄・編

この間友人と日本の建築様式の話をしていたんですがこの「書院造」が下手をすると現代まで続いている様式で、その前が「寝殿造」、で、その前が高床式ではないか、ということになってしまって困惑してしていたんですが、実際調べてみたらそうなってました、…

「鉄道考古学事始・新橋停車場」遺跡を学ぶ096、斉藤進

鉄道考古学事始・新橋停車場 (シリーズ「遺跡を学ぶ」096) 作者: 斉藤進 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2014/10/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 新橋停留場というのはそもそも日本で始めて作られた鉄道区間である「新橋~横浜」間の最初…

「天下の雨敬、明治を拓く-鉄道王 雨宮敬次郎伝」江宮隆之

この人、そもそも投機家筋で甲州財閥の若尾系に続く存在感で(甲州財閥あんまり足並みそろってないけどね)、甲武鉄道やそれに連なる「中央本線」に関わった、みたいなことになるのかな、いろいろ小さな仕事はしてるんですけどね。もともとは横浜の貿易に噛…

「明治の宮廷と女官」扇子忠

大雑把に日本で最後の事実上の後宮であった明治天皇と皇后を取り巻く世界の話だったんですが、この本を書いてる人は女性なのかな、男性なのかな、ということがちょっと気になったものの、読んでいるうちにまあどちらでもいいかなという気持ちに。特に本の最…

「東京再発見-土木遺産は語る」伊東孝

前に読んでいた本で土木というのはそもそも日本独自の分類、ということを聞いたんですが、他国では実際どうなんだろうなぁ。特に施工方法に違いがあるというわけではなく、わりと別け方は恣意的、というより、ある程度デザインが求められるものが建築、それ…

「古代人と巨大建造物の謎-彼らはなぜ、どのように建てたのか?」武光誠

個人的には記録のない平成に入ってからたまたま発掘されたという七道駅路と同じくなぜか周辺施設は記録にあるのにやっぱり建築記録がない大宰府のことが読めないかな、と思ったんですが(巨大っていうとこの辺なのですよ)、んーまあ、1998年(平成10…

「水危機 ほんとうの話」沖大幹

そもそも水はローカル資源であって、水資源が豊富なところで節水したところで誰にとっても利益があるわけでもないので(水道水を汲み上げている地域は一定数あるので電気の節約にはなるけど、と言ってましたが)、特に節水の必要はないよ? ということや。水…

「三井グループ」入門新書 時事問題解説25、児玉清彦

まずそもそも三井グループというのはどこからどこまでか、ということだと今はわかりませんが(1978年刊行)、この本の時点だと「二木会」の参入メンバーなのね、正直「月曜会」のほうが知名度上のような気もしますが、財閥全体の本だとそれが出てくるし…

「江戸のミクロコスモス・加賀藩江戸屋敷」遺跡を学ぶ011、追川吉生

江戸のミクロコスモス・加賀藩江戸屋敷 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 追川吉生 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2004/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 正直「加賀百万石」と聞いたことのない日本人はあまり多くはないだろうものの、それ…

「明治前期の銀行制度-日本金融市場発達史(1」金融経済研究所叢書2、金融経済研究所・編

例えば養蚕は時期によって大量の卵の買い付け資金が必要で、養蚕家が基本的に資金を持ってない特殊な産業なんですよね、政府主導で横浜正金銀行が当たってたって聞いてたけど、地方の国立銀行に融資を行う形だったみたいですねこれ。この本には養蚕の特殊事…