2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「論文捏造はなぜ起きたのか?」杉晴夫

日本というものを語る時にどのジャンルかということに限らず、東洋の人情による裁定、身内での助け合いというものが事実上薄れ、西洋の国家や政府による福祉制度の導入がいまだ出来ていない「悪いどころ」取り、の国、ということが語られていることがあるん…

「小村寿太郎-列強と肩をならべた近代日本の外交官」ミネルヴァ日本歴史人物伝、西本鶏介

私が現在読み進めているのが明治の初期から中期なのでこの人の存在は名前くらいしか知らなかったんですが、大雑把に対ロシアを睨んで日英同盟の締結を行い、日露戦争とその講和を経てその後の関税自主権の回復までを成し遂げた時代の外交官ってことでいいの…

「武家の古都、鎌倉」日本史リブレット021、高橋慎一朗

武家の古都、鎌倉 (日本史リブレット) 作者: 高橋慎一朗 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2005/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 日本史リブレットの本で、ある程度守備範囲に近いところを読んでおこう、というつもりで取り寄せ…

「円の誕生-近代貨幣制度の成立」三上隆三

読んでいてわりと妥当だったのではないかな、と思ったのが「円」という単位がもともと中国で使われていた貨幣単位ではないか、という説でこの少し前に香港ドルで使われていてほんの数年前に頓挫したのも同じく円という単位ではあって全く関係ないとするのも…

「荒川ぐんぐん-自転車旅マップ」自転車生活ブックス8、自転車生活ブックス編集部

鉄道関係の資料を読んでいると時々出てくる荒川や、荒川放水路(大正時代に治水のために流域を真っ直ぐに工事しましたよ、この本には出てませんがもとの流れが隅田川)との関係がどうにもわからず、荒川そのものの本を読んでもどうも情報が断片的、というこ…

「筑紫政権からヤマト政権へ・豊前石塚山古墳」遺跡を学ぶ022、長嶺正秀

筑紫政権からヤマト政権へ・豊前石塚山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 長嶺正秀 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2005/12 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログを見る 若干地理などに疎い関係で一旦読み通したあとでその内容が頭から…

「敗北の外交官ロッシュ-イスラーム世界と幕末江戸をめぐる夢」矢田部厚彦

私正直このレオン・ロッシュ氏のことをフランスの初代公使だと思っていたんですが(ちょうど同時期に領事だったりするのでその辺がややこしい)、初代はベルクールでどうもその路線を継いだのがロッシュさんだったみたいです。ええと、大雑把に旧体制寄り、…

「東京市政-首都の近現代史」源川真希

初期の東京府のインフラを司った市区改正事業ってのは今まで話は聞いていたものの、中央政権が作っていた「官庁集中計画」と対立したために一旦頓挫していた、という経緯は初めて聞いたんですが、この計画が井上馨を中心人物としていたために外相である彼が…

「伊達政宗」人物叢書、小林清治

正直なんというかだいぶ下世話なのではないかというくらい細かい内容だったのでちょっと最初は戸惑ったんですが(逸話なんかの噂話単位にまで触れてるしね、ただ、噂話との距離はすごく客観的)、要するに伊達家の家格がこの政宗氏の時にだいぶ上げられるこ…

「土木をゆく」イカロス・ムック

土木をゆく (イカロス・ムック) 出版社/メーカー: イカロス出版 発売日: 2013/09/09 メディア: ムック この商品を含むブログ (1件) を見る 2013年10月の刊行なのでわりと最近か、東横線の地下化工事が出てたのでそれほど古くはないとは思っていたんで…

「重源と栄西-優れた実践的社会事業家・宗教者」日本史リブレット人027、久野修義

重源と栄西―優れた実践的社会事業家・宗教者 (日本史リブレット人) 作者: 久野修義 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2011/12 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (2件) を見る そもそも私は今の時点で重源も栄西も知らないんですが、…

「日本刀全集(3 日本刀の流派の見どころ〈古刀編〉」本間順治/佐藤貫一・監修

これ読んでて「あー」となったんですがあれだよね、各国の縦軸っていうか順序に関してはだいぶわかってるんだろうなー、みたいな。曖昧なところはあるんですが、流れはだいたい掴めてる。この本の中だとうーん? となったのは九州くらいですかね、なんか分断…

「持丸長者-日本を動かした怪物たち(幕末・維新篇」広瀬隆

前にこの著者さんの『赤い盾』(ロートシルト、要するにユダヤ系のロスチャイルド家)の本を読んだことがあるのですが、調べたことはわりとちゃんとしてるんですよ、ただ、閨閥をメインにしてるわりには閨閥の扱い方がめっちゃ雑なんだよね(関係があるのは…

「戦争遺跡の発掘・陸軍前橋飛行場」遺跡を学ぶ047、菊池実

戦争遺跡の発掘―陸軍前橋飛行場 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 菊池実 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2008/06 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログを見る 昭和16年(太平洋戦争の開始)の時点で内地の飛行場が60箇所あ…

「大久保利通-近代国家の建設につくした政治家」ミネルヴァ日本歴史人物伝、西本鶏介

今気付いたんですが大久保利通の関わった政策のページに目を通していたら、かなりさらっと「軽工業を内務省が、重工業を工部省が担当」という文章があったんですが今まで読んでいた本の中で地味にこの説明なかったですね、としみじみ。特に前半の伝記部分は…

『興福寺-猿沢の池に映える五重塔』週刊 古寺をゆく05

とりあえずこのシリーズを読んできたのはこの興福寺が目当てだったのですが、このあとを読むか読まないかはちょっと迷おうかなと思います、ところで申し訳ない言い方かもしれないんですが、なんで4巻が「中尊寺」なんでしょうね…。(2巻の「東大寺」よりも…

「日本の地方財閥30家-知られざる経済名門」菊地浩之

日本の地方財閥30家 知られざる経済名門 (平凡社新書) 作者: 菊地浩之 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2012/02/17 メディア: 新書 クリック: 19回 この商品を含むブログ (8件) を見る もともと財閥と呼ばれたのが「甲州財閥」が最初だというのは知らなかっ…

「東インド会社とアジアの海」興亡の世界史15、羽田正

日本(の長崎)における南蛮貿易というのは、別に欧州との物品を貿易していたというわけでもなく、というのは初めて聞いたものの、よく考えて見ると納得。確かに距離的にかなり難易度が高いし、日本が欲しがるようなものは持っていなかった、むしろ日本が貿…

「再発見 明治の経済」高村直助

中堅企業が主でちょっとテーマが散逸していた「企業勃興」と比べてだいぶ面白かったんですが(二千錘紡績の一群と筑豊炭鉱はほぼ同じ内容だったね)、日本国内の生糸の流通経路の話、ああうん、甲州街道は使われなかったというのが定説なんですが整備されて…

「法務省・検察庁-くにからすべての悪をなくす」図説にっぽんの役所4、榊原昭二

3巻の「最高裁判所」で触れられていた司法行政に関しての部分と、あと検察と公安なんかがここの分類ですね。こういう別け方して挙げるのは多分現実の組織の分類としてはちょっとおかしいんだろうけど、一般人の目から見たらこの辺を独立して聞くよね。裁判…

「鉄の古代史1-弥生時代」奥野正男

似た題材の本をわりと読んでいるのでこの本の中だったかちょっと自信がないんですが、あるいは今までの常識に反して鉄器によって石器を割っていた可能性もある、ということを聞いてさすがに驚いたんですが、要するに日本では長いこと鉄器そのものの存在はあ…

『東寺-京の玄関にそびえる弘法大師の教え』週刊 古寺をゆく03

基本的に各寺というよりその成り立ちや政治的な役目などが気になるのですが、えーと、この東寺があるのが京都八条の辺り、サブタイトルにも「京の玄関」とあるように御所からは離れている(一条から存在するわけだしね)。どうも藤原京以降の都では寺院を都…

「赤城山麓の三万年前のムラ・下触牛伏遺跡」遺跡を学ぶ030、小菅将夫

赤城山麓の三万年前のムラ―下触牛伏遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 小菅将夫 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2006/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この群馬の「岩宿時代の遺跡」は(そういうまとめ方されてます、この遺跡だけで特…

「自動車-自動車と交通システム」図説・日本の産業1、月尾嘉男

もともと蒸気という動力が登場した時点で馬車からの動力転換が行われましてしばらく蒸気自動車として発展し、もともとここの蒸気からガソリンへの転換は構造的にやりやすいのかなぁ?(何個か例あるよね) ガソリン車が登場し、続いてフォードの手で量産化。…

「歩いて旅する中山道-六十九次の宿場&街道歩きを楽しむ」ウェスト・パブリッシング

中山道の存在はそこそこ知っていたつもりだったんですが、まあ公式には日本橋から始まっていて実際の出発やお見送りは基本的に板橋宿、どちらかというと山がちだったんですが川の多い東海道よりも女子ども向けとされていてという辺りで情報切れ。あとはあれ…

「財閥金融構造の比較研究」麻島昭一

いわゆる明治末から形成され始めた三井や三菱を先頭にした総合財閥から、あと住友と、第一次世界大戦ののちに財閥化された新興財閥(これはたまに聞く呼称だよね)から日産と日窒、理研の3コンツェルンを選択し、全体のバランスを取るためにだいたい第一次…

『日本の美術78 運慶と快慶』田辺三郎助・編

とりあえずこの二人は源平の頃の平重衝の南都焼き討ちに際して燃やされてしまったという東大寺と興福寺の復興に当たったという人物なのですが、よく考えたら昔親子って説明されていたし、その後親類ってのも聞いたことがあるような? でもそもそもこの名前に…

『趣味どきっ!開け!世界遺産』#9「日本史タイムカプセル検定」

この9回までを見終わりまして、ここの時間帯の次の題材の「お城」に関しての1回めが終わった感じのところです、んー、まあむしろ正直どう考えても戦国時代(今のメインです)に関係するのは城だよね! みたいな意味でとりあえず見続けようと思います。じゃ…

『特別展 東山御物の美-足利将軍家の至宝』三井記念美術館・編

東山文化というと足利義政(8代)のことなのかと思っていたんですが(3代義満につながるものもなんとなくあるけどね、私も認識混ざってました)、東山御物となると義満のものも含まれる、と捉えたほうがいいのかなこれ。一応、この東山御物には幾つかの印…