2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「ルビコン以前(下」ローマ人の物語10、塩野七生

“ルビコン川”というのはこの時点、ぶっちゃけてカエサルさん自身がここを越えるまで本土防衛ラインだったところで、この川を軍隊を維持したまま(無許可で、ですね、凱旋式は時々やってたわけですし)越えたことで「クーデター」の意思ありと見做され。 ほと…

『美の巨人たち』シリーズ“夏休みに見に行こう”木田金次郎「夏の岩内港」

木田金次郎−Wikipedia (1893.07/16−1962.12/15) 有島武郎さん(小説家)にお礼を言わなくてはならないのは当人よりもまず家族ではないのかと思うのですが、だって「君の感性は海の生活で磨かれたものだと思うよ?」なんて言…

『美の巨人たち』池田満寿夫「女・動物たち」「女」「女の肖像」(日本)

池田満寿夫−Wikipedia (1934.02/23−1997.03/08) 亡くなった時期からして顔に見覚えがあってもそんなに不思議はないんですが、それにしてはどうも版画に全く見覚えがなく。見たのに忘れてしまったんだろうか、と考えれどもな…

「フランスの外交力−自主独立の伝統と政略」山田文比古

国連さん(無駄に敬称が)の安保理・常任理事国の一国の外交の本。 巨大すぎて結果的に調整役には向かないアメリカ、社会主義国であるために否定的意見が多くなりがちなロシア、中国などと比べて外交が活発で、軍事ともなると米国と足並みを揃えがちなイギリ…

『世界遺産』#552 アントニ・ガウディの作品群 II(スペイン)

アントニ・ガウディの作品群−Wikipedia とはいえガウディ作品に住め! と言われたら尻込みするわけですが。 グエル邸みたくに手加減してくれてたらまだしもなんだけどね、中に入るとそんなに妙ってわけではないんだけど、なんかたまに異次元に落ち…

「北欧空戦史」中山雅洋

フィンランドの本です、いえ、別にフィンランドのみの本ではないんですが、フィンランドが主役ということで誰もが納得するんじゃないかと思いますというか、フィンランド空軍が著者さんが本を執筆した動機ということで間違いないと思います。 えー、北欧の国…

「日本の私鉄10 東武」カラーブックス・第1シリーズ、花上嘉成/安田理

まず1ページに路線図を無理に押し込んでいる時点からなにかが破綻していそうな気もしなくもないんですが、とにかくまあ、詰めに詰めに詰めて車両の歴史を語ってはいるものの正直見ていて違いがさっぱりわからない、通勤車両は概ねライトベージュ? のような…

『食彩の王国』#188 絹ごし

大豆を潰し水を加え、越したものが豆乳。 そこににがりを入れてから直接型に入れて作るのが絹ごし豆腐、一度固めたものを崩して型に入れるのが木綿豆腐。えーと、豆乳が出た時のがおからでしたっけ。 いや、いざ書こうとしたらその辺がわからなかったんで調…

『美の巨人たち』国吉康雄「誰かが私のポスターを破った」(アメリカ)

国吉康雄−Wikipedia (1889.09/01−1953.05/14) アメリカの美術界の頂点に上り詰めたのだという日本人の画家。 「なんでまた絵画なのにアメリカよ?」という問いはもっともだと思うんですが、私程度の知識でもそう考えてたんで…

「マダガスカル」目で見る世界の国々7、M・M・ロジャース

マダガスカルはアフリカ大陸の右、もとい東(日本が極東だからこっちが東ー、とか見当付けるのは止めましょう、位置によっては本気で間違えるし)。オーストラリア以下が島、という定義の中で世界第4位の島国で。 南極なんかも島って考えると世界的に考えて…

『食彩の王国』#187 枝豆

枝豆−Wikipedia 煮た枝豆をすり潰して砂糖を加えた「ずんだ」は、私は多少縁があるのですが。 そういえば昔は煮て食べるだけで特に手を加えたりはしなかったねぇ? と禅寺の甘さんは小首を傾げます。昔から、そんなに高価なものではなかったとは思…

「スペイン−フランコの四〇年」J・ソペーニャ

さっくりと独裁者さんの本ですが、正直、彼のせいというよりはこの時期のスペインが「独裁じゃ無理があったんじゃね?」というのがまだしも正しい見方なのか、フランコさんには独裁者が必要だ、という意識はありましたが、なにかしらの特定の思想を国に押し…

『美の巨人たち』サージェント「マダムⅩ」(アメリカ)

ジョン・シンガー・サージェント−Wikipedia (1856.01/12−1925.04/14) でもまあ、肩紐はちゃんとしてるほうが絵全体に注意が行くのでいいような気はしないでもないんですが。だって正直、横にズレてるとそこしか見れない...or…

「小田急よもやま話(下」加藤一雄

とりあえず後半でちょっと期待していた大東急時代はなかったんですが(別の本ではちょっとあったんだけど、やっぱり私鉄総合で扱ってる本でないと難しいか)、対西武の“箱根山戦争”が語られていたのですが、西武が実は得をしたんだ、という寸評やら、東急の…

『美の巨人たち』土屋輝雄「鶏舎」(日本)

土屋輝雄 (1909−1962) 息子はわりと有名な(というか聞いたことある)日本画家、孫はなんかミュージシャンみたいですよ。サラブレッドというより、なんか粘り勝ちという単語が頭を掠めるのはなんでなのか。正岡子規のがずーっと有名なわけですけど…

「くそったれ、美しきパリの12か月」スティーヴン・クラーク

あくまで小説であってノン・フィクションではないのですが、いわゆる解説にも「どっちかわからん」というようなことがわざわざ断ってあるように、なんとなく居心地の悪い思いを多分皆するのではないのかな、というか、アメリカ人の“悪友”が出来た辺りが転機…

『世界遺産』#551 アントニ・ガウディの作品群 I(スペイン)

アントニ・ガウディ−Wikipedia まあ大概有名な人なのでほとんど知っていることばかりだったんですが、とりあえず、皮手袋のショーケースのデザインによって富豪に見出された、というのはむしろ富豪のセンスの良さを褒めたいところですなー。 エウセ…

「小田急よもやま話(上」加藤一雄

正直私、どこで「いっそ小田急で逃げましょか♪」というフレーズを聞いたのだったかちょっと曖昧なんですが(今の子は知ってるのか知らないのか、昭和4年の歌謡曲なので明らかに私どころか祖父母すら子どもなんですよね)、この曲の出たのが昭和2年に【小田…

『世界遺産』#550 石見銀山遺跡とその文化的景観(日本)

石見銀山−Wikipedia 骨粉を固めた上で熱することにより、表面張力の違いで鉛が自然に吸収されるのだという大陸からの技術が伝わってきた時期に飛躍的に発展。 最盛期には全世界流通量の3分の1にも達したことがあるのだという、ヨーロッパの文献に…

「ルビコン以前(中」ローマ人の物語9、塩野七生

んー、まあ塩野さんのご本は概ね面白くはあるんですが、クラッススはろくでもないかもしれないけれど私は馬鹿ではないのではないかと思いますし。 (そもそも人望がなかったらお金で票を買えば済むし、元老院議員たちが盛んにやっていたように地方長官になっ…

『食彩の王国』#186 岩牡蠣

海人−Wikipedia ちょっと待て、項目カキじゃないんかいと我ながら突っ込みを入れたくなるのですが番組の構成上どうもこちらのほうが正しいような気がしてならないというかなんというか「男は余計なもんがでっぱってるからそこから身体がどんどん冷…

「昭和の路面電車−関東・甲信越編」生方良雄

昭和の路面電車 関東・甲信越編 (ヴィジュアルガイド)作者: 生方良雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/02/26メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見るとりあえずこの本を読んでよくわかったのは、路面電車がバ…

『美の巨人たち』金山平三「大石田の最上川」(日本)

金山平三−Wikiprdia (1883−1964) “雪の金山”とも呼ばれる自然風景画家。 東京美術学校・黒田清輝氏に師事し、若い頃はヨーロッパで写生三昧。 後に人間関係のしがらみか美術界の正道を離れ、途中で美術界の正道を追ん出てひたすら自然ば…

「ルビコン以前(上」ローマ人の物語8、塩野七生

この巻で一旦、一世代前の“マリウスとスッラ”の時代へと巻き戻り、そこで若い頃の記録がほとんどないというカエサルという御仁を、当時のローマの習慣やいくばくか推測を含めて語る、という内容なのはいいのではないかと思うんですが。 次の世代にあたるカエ…

『世界遺産』#549 ジェンネ旧市街(マリ)

ジェンネ−Wikipedia かつて天国とも呼ばれたのだというサハラ砂漠の交易都市。 なにで栄えたのかというと、一つには絞りにくいのですが定住民と遊牧民との交流の場所であったとか、地中海とオリエントが流れ込む“シルクロード”の終着点であったとか…

「勝者の混迷(下」ローマ人の物語7、塩野七生

けどまあ、スッラの後継者たちがスッラの"意図"、寡頭制、元老院制度の維持擁護というところを理解していたかなぁ、というと若干疑問で。 元老院と対立する市民代表の護衛官の権力低下のための布石くらいとしか思われてなかったんじゃないかなぁ、というか、…

「バトル・オブ・ブリテン」リチャード・ハウ&デニス・リチャーズ

“イギリスを守った空の決戦”というのは第二次世界大戦時のドイツとの本土決戦のことを指して呼ぶそうなのですが(BOBなんて略語まで存在するよーですよ)、えーまあ、要するにナチスなドイツ軍は、ソ連に行く前にフランスを平らげたあと、さっくり短期間でイ…

『食彩の王国』#185 バジル

バジル−Wikipedia トマトとチーズとバジルを合わせてイタリア国旗! というのはなにも番組内のみのネタではないんですね、いや、そこではピザだったんですが、Wiki君ではサラダがイタリアを代表している、と書かれていますネ。えーと、日本の日…

『建築の世紀』昭和の「教室」「教科書」の昭和(中央区立泰明小学校、東京書籍印刷)

復興小学校というのはどうも、関東大震災ののち(1923年ね)、1928年くらいまでに震災前からあった小学校を再建したものを特別にそう呼んでいるそうなのですが、そのうちの代表格が“泰明小学校”。建物が全壊している中、フランスから来たのだという…

「私鉄探検」近藤正高

私鉄探検 (ソフトバンク新書)作者: 近藤正高出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2008/06/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 128回この商品を含むブログ (28件) を見る扱われていたのがまず西武、悪いわけでもないけど、そもそも西武って…