『世界遺産』#550 石見銀山遺跡とその文化的景観(日本)

石見銀山−Wikipedia


骨粉を固めた上で熱することにより、表面張力の違いで鉛が自然に吸収されるのだという大陸からの技術が伝わってきた時期に飛躍的に発展。
最盛期には全世界流通量の3分の1にも達したことがあるのだという、ヨーロッパの文献にもその名前が散見されるのだという銀山。江戸時代には銀を掘りつくし、代わりに産出していたのだという銅もなくし閉山になったという歴史を辿り。
逆にだからこそ、その形は純粋なもので残ったのだと言います。
その仕事の過酷さから、あまり長く生きることが出来なかったのだという鉱夫たちは大変な高級取りで、どうも全体的な流れとしては職人的というか、己の寿命が短くなることをある程度覚悟の上でその職を選んだようで。
そのことが反映されているのでしょうか、どういうわけか、かなり不自然であるはずの坑道は不思議にも自然に溶け合って独特の景観を形成しているのだそうで。


ある意味で確かに、現代の技術があればありえないような細い坑道だし。
それが一つ二つならばともかく、正確で安全でなくてはならない(しかも取りこぼしあったらもったいない)というのならば自然に測量技術も発展したでしょうしね。
そしてそういう発展の仕方は、なんとなく土地への畏怖尊重も感じないでもない。
見た目が立派ってんじゃないし、技術はかなり古いし。
公開できる強度のある坑道は一つきり、ということですが、それがむしろ世界遺産に登録される要因になったようです。2007年、登録が決定されたばかりです。