東京史

「首都江戸の誕生-大江戸はいかにして造られたのか」大石学

江戸が首都であったと見做していると言うと「そもそも首都とはなんぞや」という疑問が出てくるのはどこの国の歴史を見ていてもわりと当然のことなんですが(君主制であって君主の居住地と政治の中心地が違うケースもままあるし)(アメリカも意外と悩ましい…

「地図で読む東京大空襲-両国生まれの実体験をもとに」菊地正浩

わりと最近語られるようになった東京大空襲の側面として、どうもアメリカ側は関東大震災の被害地図を元に無差別攻撃の目標地域を決めていたのではないか、ということを思い出しながら読むことになったんですが、この著者さんのお母さんやお爺さんの世代だと…

「江戸東京歴史散歩(2 都心・山の手編」江戸東京散策倶楽部

これの1巻で主に東側の下町(ってももとは江戸の市外地なんですが)や千代田区やら皇居なんかの東京駅辺りまでを触れて、この巻では港区や品川区なんか、千代田区と同じくお屋敷街や大使館なんかが多い印象なんですが、要するにかつては大名屋敷とか武家屋…

「多摩の歴史(1 武蔵野市/三鷹市/保谷市/田無市」松岡六郎/吉田 格・編集

武蔵野市はまず中央線の「武蔵境」の駅が最初に出来ました、田無が府中町と結託して駅を拒否したので、ということが説明されていたんですが、この辺のどうだったんだっけ、駅単位だとそんなにありえないわけでもなかったかなぁ。武蔵境駅が寄付によって成り…

「多摩川物語-上・中流七十年史」根岸律男

実際の多摩川流域はちょっと遠くて、私が認識してるのが京王線と沿っている部分府中から調布くらいまでの辺りなんですが、この「調布」というのがそもそも多摩川流域には3箇所あるんですよね(実際に布に関わっていたところらしいですが、ちょっとその関係…

「江戸東京歴史散歩(1 都心・下町編」江戸東京散策倶楽部

本を読み終わってまとめようとして、ついスタート地点を東京駅、と考えてしまったんですが、江戸の本でしたね、今の皇居、かつての江戸城跡地でしたっけ。正直皇居って修学旅行でしか行ったことがないんですが(もともと東海にいたので)、江戸城の跡とか見…

「空から見える東京の道と街づくり」じっぴコンパクト新書146、竹内正浩

<カラー版>空から見える東京の道と街づくり (じっぴコンパクト新書) 作者: 竹内正浩 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2013/03/14 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 8本(というより、環状1号はどうも旧江戸城の内堀らしいので、7本って…

『東京人』2013年04月号「江戸東京を遊ぶ」

巻末まで読んで始めて知ったんですが、あー、江戸東京博物館ってもともとこの雑誌『東京人』の発行元の東京都歴史文化財団が作ったのか…、ええと、それが今年20周年となりまして(ぐるっとパスで1回、遠方からの人と1回、付属図書館に1回行ったことあり…

「練馬区の歴史」東京ふる里文庫1、練馬郷土史研究会

江戸の頃にそもそも八幡神社と稲荷神社以外には制約があったのだとか(あくまで新しく作る場合でしょうね、しかし八幡って地名多いと思ったよ)、この地域に中山道の板橋宿や甲州街道の高井戸宿の助郷が指定されていて、馬の供出が結構な重圧だったろうなぁ…

「江戸の都市計画-建築家集団と宗教デザイン」講談社選書メチエ66、宮元健次

すごく正直、この本の中でも出てきた「特定の形を形成する配置」というのは一時わりと好きで読んでいましたし、東北にある北斗七星(の神社)なんてのはもうあれは信じるとか信じないとかじゃなくて明言されている上、全てが現存していて実際その形をしてい…

「多摩川をいく」平野勝

7割ほど読み進んだ時点で多摩川を扱っているにしてはページ配分が? ということを考えていて、羽村堰(ここで一旦全ての多摩川の水が取水されて、東京都の水源になっているようです)の単語がちらほらと見え始めた頃にやっと気付きましたが、これ、この本、…

「古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド」玄光社MOOK、荻窪圭

古地図でめぐる 今昔 東京さんぽガイド 作者: 荻窪圭 出版社/メーカー: 玄光社 発売日: 2013/11/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る とりあえず江戸時代に5街道というのが制定されたんだけど、まあ道なんてのはずっと古くからあった…

「東京古道散歩」荻窪圭

東京古道散歩 (中経の文庫) 作者: 荻窪圭 出版社/メーカー: 中経出版 発売日: 2010/05/04 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (5件) を見る 東京の「古道」と言われるとまあまずちょっと詳しい人だと江戸の頃の日本橋を基点にし…

「新宿区の歴史」東京ふる里文庫2、新宿の歴史を語る会

全23冊のシリーズで、第1巻が練馬で第2巻が新宿、すごく大雑把に1巻は学術的な内容だったんですが、2巻は通俗的な内容が多く、なんで違うんだろう、と考えていたんですがその辺は著作担当の「練馬郷土史研究会」と「新宿の歴史を語る会」の違いかな、…

「古地図で歩く江戸城・大名屋敷」別冊太陽 太陽の地図帖060、岡本哲志・監修

古地図で歩く江戸城・大名屋敷 (別冊太陽 太陽の地図帖) 作者: 岡本哲志 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2011/02/23 メディア: ムック クリック: 7回 この商品を含むブログを見る 前に読んでいた本で東海道沿いの大名行列は見物人が多い関係でどうしても華…

「東京市政-首都の近現代史」源川真希

初期の東京府のインフラを司った市区改正事業ってのは今まで話は聞いていたものの、中央政権が作っていた「官庁集中計画」と対立したために一旦頓挫していた、という経緯は初めて聞いたんですが、この計画が井上馨を中心人物としていたために外相である彼が…

「武蔵の古代史-国造・郡司と渡来人・祭祀と宗教」森田悌

とりあえず私が住んでいるのがこの本の中で南武蔵と呼ばれている地域のようなんですが(まあざっくり東京都の地域かなって)、著者さんやそもそもこの本の出版社さんは埼玉県寄りなので北武蔵、で、まあ、話はだいたい北武蔵を中心です。まあただ、南武蔵っ…

「地名と地理の謎がわかる! 東京の歴史地図帳」谷川彰英・監修

一番面白かったのが墨引きという町奉行の統括地域を示した地図の範囲、それに寺社奉行の地域を足した朱引き。だいたいこの朱引きが明治以降は市内という認識をされていたんですが、江戸幕府が「御内府」って言ってたのはどっちだろうね、と言われたら微妙。…

「豊島区の歴史」東京ふる里文庫3、林英夫

池袋がそもそも目白の変わりであって(それこそ巣鴨刑務所のせいで曲がれなかったって聞きますね)、今は新宿駅に続く第2の乗降数を誇る、というのはわりと聞くんですが、もともと大塚や巣鴨、雑司が谷の一部を切り取ったもので、と言われると結構寄せ集め…

「明治の東京計画」藤森照信

明治の東京計画 (岩波現代文庫) 作者: 藤森照信 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/11/16 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 17回 この商品を含むブログ (16件) を見る 銀座煉瓦街計画が若干時代に早かった、というのはよく聞くものの(でも、本の中…

「江戸が東京になった日-明治二年の東京遷都」佐々木克

もともと京都から東京への「遷都」が明言されているわけではないんだよね、というのは、多分一旦調べたらさくっとわかるせいでしょうが結構前から話は聞いていまして、そこまで興味があったわけではなく、まあ、どちらかというと明治2年から行われたという…

「江戸・東京 歴史の散歩道(1 中央区・台東区・墨田区・江東区」江戸・東京文庫1

さらにこのあとに“江戸の名残と情緒の探訪”と付いているので(あと帯に書いてありそうな文章がさらに表紙にずらずらと)、なんかちょっとクドいな、というのが正直な感想なんですがまあ、あの「街と暮らし社」ならガイドブックと捉えればいいか…。中身は普通…

「東京の地理再発見-だれが街を造ったか(下」豊田薫

下巻はまず隅田川を皮切りに治水に利水、水辺の復活傾向が語られまして、続いてが毎度大揉めする築地市場。て、前の場所からの移転も反対で伸びたんかいw移転しない心積もりで建替えと合理化してたらちょっとは気持ちはわかるかな。大田市場になる予定だっ…

「東京の地理再発見-だれが街を造ったか(上」豊田薫

例えばかつての東京府と最初に呼ばれた地域が「町奉行の支配地」というのも始めて見ましたし、その周囲の幕府任命の代官支配地と大名屋敷(参勤交代での江戸勤めの時の土地だよね)が一端武蔵県となったのちに3分割されてさらにその後再編、などという部分…

「東京のれきし 道路・鉄道まちづくり編」双葉社スーパームック

まあすっごくぶっちゃけ、知らないこと一つもなかったんですが、参考文献見たらだいたい読んでるところが被ってたので「そういうことかな」というふうに納得したんですが、要するにあれですよ、ブラタモリとか街歩きとか凸凹地形とか。(の直接の系統ではな…

「古地図で謎解き 江戸東京「まち」の歴史」跡部蛮

古地図で謎解き 江戸東京「まち」の歴史 (双葉新書) 作者: 跡部蛮 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2014/05/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 各地名で小さな地図が出てきて、その中に関してを徹底的に調べる、というようなスタイルの本だった…

「多摩の歴史(3 国分寺市/国立市/小平市/武蔵村山市」松岡六郎/吉田 格・編集

国分寺市とその周辺の市がまとめられた巻のようなんですが、正直なところ武蔵国分寺は「いつ廃れたのかわからない」と言われていてあまり重要視されていることがなく、この本の中でも出てきていた戦乱に巻き込まれて燃えた時、再建すると言われたのに、それ…

「多摩の歴史(2 小金井市/東村山市/清瀬市/東久留米市/東大和市」松岡六郎/吉田 格・編集

大雑把に今回は西武池袋線の辺りかな? この前の1巻は中央線沿線で、なんというか正直ちょっと知名度や規模が小さめのところが多かったんですが(行政区分も少し変わってたよね)、ここはすでに昭和50年の段階で全部市制に移行しているし、その後若干地位…

「江戸東京歴史散歩(3 山の手・武蔵野編」江戸東京散策倶楽部

要するにこの同じシリーズの2巻の山の手が歴史的な意味での山の手で、この巻に出てくる杉並中野世田谷目黒なんていう23区の西側の土地は新しい山の手って感じだよね(しかしもうこの辺の区分世代的に共有してないなぁ正直)。もともとは郊外であって、新…

「江戸東京歴史散歩(2 都心・山の手編」江戸東京散策倶楽部

これの1巻で主に東側の下町(ってももとは江戸の市外地なんですが)や千代田区やら皇居なんかの東京駅辺りまでを触れて、この巻では港区や品川区など、千代田区と同じくお屋敷街や大使館なんかが多い印象なんですが、要するにかつては大名屋敷とか武家屋敷…