「スペイン−フランコの四〇年」J・ソペーニャ

さっくりと独裁者さんの本ですが、正直、彼のせいというよりはこの時期のスペインが「独裁じゃ無理があったんじゃね?」というのがまだしも正しい見方なのか、フランコさんには独裁者が必要だ、という意識はありましたが、なにかしらの特定の思想を国に押し付けようとしていたタイプの方ではなかったのではないかと思うのですが。
少なくとも、自身の死の後は王制の復活を予定していたのは単に事実です。
(もともと決まっていた人を退け、自分で選んでいたりはしたけどね。)
(で、その王がのちに国を民主化し、現在も結構人気あるらしいよ。)
第二次世界大戦の直前、スペインが二つに別れ争いあったという≪スペイン内戦≫にて話の幕は開け、彼が死に、王が即位したところで本は終わり。そしてフランコさんの死後、なるべく記憶の薄れないうちに、と急いで書かれた本なのだそうです。
ちゅーか、スペイン内戦の時代には幼児だったのだというから当事者ですかね。


その後、WW2のドイツやイギリスの間でどっちつかずの外交を展開していたり(連戦連勝のドイツに対して実際かなり及び腰だったと思います、なんでかは知らん? ホロコーストとかさすがに関係ないだろうし)(アメリカの存在かね?)、戦後、それでも独裁者を擁いていることと、ドイツへの協力から欧州から締め出され。
各種国際機関への参加もかなり遅れてしまったらしいおかげで、どうも内戦の傷跡がいつまで経っても癒えないようなことはあったようです。
WW2には参加しないで済んでいたんですけど、その世界情勢下だと温存が精一杯でしょうしねぇ、うーん。なんでも内戦で国外に追放された人らの働きがあったのだとか。
でも、じゃあ独裁以外のどうすれば良かったのかってのは難しいです。