『世界遺産』#564 アルベロベッロのトゥルッリ(イタリア)

トルッロ−Wikipedia


なんで作られ続けたのかはわかっているものの、どちらかというと“何故”その技術が始まったのかというのがよくわからないらしいという。学者さんたちは占星術との関係がどーの、というけれど、そんな感じじゃないねぇ、というのは最後の修復屋さん。
彼が死んだらどうなるのかしら、と母上がはらはらしていたのですが。
さて、こういうのってどうなるのかなぁ、案外なんとか、技術で見た目だけは復元出来るような気もしますが、でももうそんな持たないんでしょうね。
そうやって消えていく技術も正直珍しくはない。


平べったく加工したばらばらの大きさの石を、ひたすら積み上げていって、少しずつ内側にカーブさせるような形にして、小さく先端をすぼめ、そこに思い思いの装飾を、そこだけは家ずつの違った飾りを付けている不思議な形の屋根。
一つの屋根をトゥッロと呼び、一つずつの部屋に屋根を作り。
一軒の家で屋根が幾つか連なり、トゥッロの複数形で“トゥルッリ”。どうも、いざという時に屋根を外し、これは家ではないよ、と言い張るためらしいのですが(だから時期によってはモルタルも使ってなかったりする)。
地下室に水を溜め生活用水にし、屋根の部分は倉庫にするために小窓を作り。
生活に密着したその家が、今は「お伽の国に来たみたい」と言われ、観光客も呼び、世界遺産になったってのはいいことなのかどこか皮肉なのか。
1996年に文化遺産として登録されることになりました。