「戦うハプスブルク家−近代の序章としての三十年戦争」菊池良生

そもそも“30年戦争”という名前すら、世界史を選択した人でも「聞いたことはあるような」(私は聞いてません!)(それは威張らない)というレベルな模様なんですが、博識な方が言われるのも「正直、なにがなんだか...orz」なので、まあ、覚えなくてもいいんじゃないかと思わないでもないんですが。
基本的に戦争は余所に任せ、婚姻による関係構築に専念した(幸いなるハプスブルク、汝結婚せよ、でしたっけ?)という、それはそれで強かなハプスブルク王家が唯一正面切って巻き込まれたのがこの一連の戦争であって、そもそも連続しない幾つかの戦局があるよ、という見方もまた正しければ。
この通俗的な“30年戦争”という呼び方もまた同時の人々の実感ではなかったのか、というのはさすがに理解の及ぶ範囲の答えで。
しかしまあ、正直、誰がなにを求めて戦っているのかはよくわからないというか。
いや、カソリックとプロテスタント勢力に別れて戦っている局面があるのは事実なものの、代表的なカソリックの国(フランスやスペインがまず思い浮かぶかと)も、名前の知れたプロテスタントの国(イギリスやオランダだよなぁ、とりあえず)も、共に関わってないわけではないんですが国から動けないわ、登場が遅いわせいぜい影響があるくらいで。


国名が出てくるたんびに毎回どっちの陣営? ということを気にしなくてはならないというか、国じゃない勢力多! あと、なにしに来たんだスウェーデン、と思うのが私だけではなくて大変安心しました、まあいろいろ助かったみたいですが(なにしに来たの)。
どうも大きなうねりとして宗教の緊張を孕んで幕開け、徐々に“反ハプスブルク”の様相を形作っていったようなのですが。うんまあ、また今度。