「日本刀物語」福永酔剣

正直なところ前半の「ちょっと出所の怪しい伝承」とその時代のズレのような部分はわりと覚悟しながら読んでいたものの(小夜左文字はまあ、時代に問題があるってほどでもないような気がする、ただ、なんか行方不明になっていた時期と逸話の内容にちょっと違和感があるっちゃああるなぁ)。
首切り役人という呼ばれたという山田浅右衛門氏(アルバイト)に関しては、正直この著者さんとは相性が良くなかったような気がします…どこからどこまでが逸話なんだ、徳川家康の愛人の息子? 落胤? みたいなレベルで混乱してましたし、正直別にどっちでもいいんだろうねここ!
要するに首切りで試し斬りしてた人がえらいこと有名になって、家系の伝承が膨らんだってことなんじゃないのかなぁ、と思ったんですが、膨らむにしたって初代徳川将軍ってほどがあるだろう、としか言い様がないのです。いっそ根拠あるんだろうかとかついうっかり考えてしまうよね!!
というか実際たまに聞きますよね、試し斬りの人の付けた刀のランキング。
平安時代にもちょくちょくやってたってのと、実戦の時代にも関わらず試し斬りをしていた方もいるらしい。刀ってそもそも消耗品なので、目的でも違ったんだろうか。

で、赤穂浪士に関わる刀の話とか、好色モチーフの刀の装飾の話とか、この辺はわりと純粋に面白かったですかも。そうそう、泉岳寺が刀の処分に困ってぱーっと適当に逸話付けて売っちゃったんですよね…おかげでしっちゃかめっちゃかだそうです。
(最近でも新撰組でなんか似たようなことになってるような、まあいっか。)
話が怪しいという触れ込みで構わないので刀の来歴は知りたいです赤穂浪士以外!