「法然対明恵」町田宗鳳

鎌倉新仏教という括りを最近改めて読み初めまして(結構昔、宗教関係をぱらぱらと読んでる時に多少なりとは手に取ってはいたものの、いまいち掴めないままでした)、それでまあ、一番最初に位置する法然さんという人物に現在興味があるのですが、この人が浄土宗の人で今は浄土真宗のほうが有名じゃないかと思いますが、それは弟子の親鸞さんの打ち立てた宗派です。
で、今はあんまりピンとは来なくなっているものの、どうも鎌倉新仏教の中に大きな「浄土系の土壌」というものがあったらしく。
初期の頃はそんなに明確に別れていたわけではないらしい、と聞きましたのでその浄土宗の法然さんを読み始めました次第。
で、タイトルにあります明恵さんというのは法然さんが鎌倉時代の混乱期の生まれ、それから40年ほど経って小康状態になってからうまれたの法然さんのことも意識しているような時代の生まれ。
というか、法然さんの死後、彼の論説に対しての批判を展開していたようです。
あれだよね、「悪人往生」の部分だよね?
簡単に言うと悪人のほうが救われる率が高いみたいな内容で、これは結構長いこといろんな論争になっているようなんですが、宗教心の全くない人間からすると柔軟運動は身体が堅いほど効く、みたいに聞いていて感慨がありませんでした。
 
この二人ともが武士の出で父親を失い、後ろ盾もそこまでない中で高僧へとなり、ただし周囲の寺の事情はお世辞にもまともとは言えなかった、という大前提の中。
まあ、歴史の本かなぁ意外と、宗教の立場から見た鎌倉初期の本じゃないですかと。