「ヤミ市 幻のガイドブック」松平誠

カストリ、というなんとも言えない響きのこのお酒のことを聞いたのは多分戦後の小説の中ではないかと思うのですが(明治大正小説と書こうとしましたが時期合ってないw)、これが一番真っ当なアルコール分でぶっちゃけると高値の花。
バクダンと呼ばれる工業用アルコールを飲んで視力や命を失う人間があとを立たなかったそうです、そういう時代なんだな、と飲み込むしかないというところまでは納得するのですが米兵は飲まないで米兵は…なんの必然性がぁぁ。
(おかげで米兵の命を奪った店は死罪という規定になっていたそうです、仕方ない!)
いや、語られていたんですが正直理解し損ねました、軍歌は全て喉を誇るためのものでなく、ひたすら内省のためのものだった、誰かに聞かせるための歌というものはその頃存在しなかった、ということと合わせて考えるべきなのでしょうか。


ヤミ市はざっくりと戦後の日本で生まれた非合法の商品市場。
というか、多分ある程度までの年齢の人はごく自然に知っていると思うのですが、若い子はどうなのかなぁ、ブラックマーケットというのはまたニュアンスが違いますね。これは興業者がそもそもヤクザではないんだよ、という但し書きがあり。
戦後までは「テキ屋」がヤクザではなかったのだ、という説明へとつながります。
1995年の関西淡路沖大震災までエピソードとして語られているところを見ると、案外と昔気質のヤクザって思ってるのってこっちのテキ屋に近いのかなぁ。わからん。
まあ確かに違法なんだけど、物理的に政府が人々の生活を支えきれないというか、完全配給制謳っておいて遅延1年とかやらかしたら取り締まりを厳しくしてる場合じゃないですよね、意味わかんねぇよマジ。実際、黙認や応援などもあったのだとか。
んー、物品に関してはともかく、土地に関しては微妙かなぁ、別の本探そうかしら。