『産業立地と地域経済’12』#7 グローバリゼーションと立地

そもそもこの回で語られていた「グローバル化」ってのは古典的な貿易とはちょっと違うものとして語られていたんですが(いわゆる現地法人に近いものは貿易民族って言われてたギリシャ人とかユダヤ民族とか、フリーセン人とかで近いものはあったよね)、要するに近代以降に確立された国境があり、そこを越えることによって関税が発生し、ある意味ではかつてよりも移動能力等々は上がっていても一旦敷居が高くなってるって前提があるよー、ということなのかな、ととりあえず解釈しているんですが。
現地法人を作るのは要するに関税対策ですし、そうして複数の国籍を持つグローバル企業となった場合に法人税が安い国に本拠地を移すってこともままあるし。
けれど案外、本社を本国(ここではその企業の発祥した国とでも捉えればいいのかな)から移すってことはないので、要するに法人税はそこまでの強い条件にはならない、とか。
海外に生産拠点を移すということは資本集約が高くなるので、大量生産大量消費には向いてるけど全ての条件に合致するわけではないよー、とか、この辺はよく聞きますね。よく聞くというよりバブル破綻以降のわりと典型的な勘違いだったんだろうね。

 

一応この辺も全て理論として研究者が存在してたんですが、今まで産業立地論でもそうだけどわりと時代時代ごとで一人の研究者がいるというか、トータルで理論形成されてるってわけでもないんだよね、ある意味で理論というよりは実際の経済の変化があって、その変化に対しての分析を試みた人がいて、例えば法人税とか人件費とか、強く影響するファクターを取り出して説明する、ということの繰り返しみたいな感じの全体的な流れ。
ただ、日本で典型的な例として「周辺企業が行くから行く」みたいなケースが多かったんですが、最初に出向した企業の動機でまとめて語られてたんだろうか。