『美の巨人たち』ルイス・コンフォート・ティファニー ステンドグラス「百合と林檎の花」(アメリカ)

ルイス・カムフォート・ティファニー−Wikipedia
(1848.02/18−1933.01/17)


「アメリカ人はなぜ生活に美を取り入れることを頑なに拒むのか」というような趣旨の言葉がひどく印象に残っているのですが、美しいものに囲まれて生まれ、父親に画家になる、と言われてそれを許されたというどこか甘ったるい話から逃げられない彼は。
アメリカにおけるアール・ヌーヴォーの第一人者として今は語られています。
んでまあぶっちゃけて親父さんは、芸術家ならまあいっか、なんかの足しになるだろ、と思って許したのか、画家になるなんてまた甘いことをすぐ戻ってくるだろw と思って許したのか、案外その中間くらいじゃないかと思うんですが。
なんというか、“ティファニー社”の後継者として生まれたそうで。


で、夢みたいなふわふわっとしたことを言って家を出て、考えていたのが案外と骨太というか地に足が着いているというか、案外、この人のここでの健闘ってアメリカの中に根を下ろしているのかもしれないなぁ、となんとなく思います。
だって今のアメリカ人そんなことないじゃん、彼が作ったのは教会のステンドグラス、カケラを切り合せた芸術的な、理屈も教わらない(職人芸)あれじゃなくて色ガラス同士を混ぜて模様を作り、それを自然の風景に見立てるようなそんな作品にランプの傘。
工業芸術っちゅー翻訳だったっけか、まあ要するに、美しい大量生産品、オートメイションというほど問答無用でもなくて、特殊な技術者だけが長時間掛けて作る選ばれた人間たちのものではない、多少生活に余裕があれば手の届く範囲の「美」、かな?
まあ、後半生順風満帆な人生とは行かなかったみたいですが、それもそれで。