「ベーダ 英国民教会史」高橋博

そもそもイギリスというのはイングランドが訛ったもので、英国(連合王国)を形成する地域の一つなんですが、そのイングランドの形成よりもさらに昔、この島のアングロ・サクソン諸民族(他にケルト諸族がいます)を指して“七王国時代”と呼ばれていた頃。
その中の一国、ノーザンブリアの司祭さまの書いた歴史書なんですが。
「間違ってても私のせいにしないでね」(どうなんだ聖職者さま)という前置きのもと、いわゆる先史時代、このブリテン島に人が入植し始めた頃から。


主な内容としてはやっぱりキリスト教の伝来が主で、もともと近くのアイルランド島からの伝道者もぽちぽち来ていたようなんですが(しかしなぜかこの方たちは放浪する)、やっぱり本格的になったのはローマ教皇庁からの直接の伝来以降でしょうか。
しかしなんかこう、どう考えてもキリスト教側の人なのに、なんか心なしか記述に容赦がないというか、初期の使者たちが「こりゃ受け入れられるの無理だわ」というのがよくわかる態度だったのがよくわかる内容になっています上。
現地の人々の改宗のきっかけがほとんど“奇跡”によるものなので、現代人からすると奇異に見えるような気もしないでもないですね。あ、ラテン人とギリシャ人(押し付けあった結果お二人で来られました、まあよし!)のコンビの司教さまが来て以降は結構よろしいのではないかと思います、ベーダさんはこの頃の人で一時の文化隆盛の時代。
少し後の大陸フランク王国カロリング朝に逆に文化を輸出することにもなります。
まぁちょっと癖がありますかも、悪い人ではないんですが(女性に関しての問答集みたいなのがすごく真摯で好きですね、あと、必ずしも現地ドゥルイド教にも攻撃的でないし)(キリスト教異端は大嫌いらしいw)。