「神奈川の鉄道 1872-1996」野田正穂/編

『多摩の鉄道』の姉妹篇のような内容で、非常にローカルかつ鉄道外の話(私鉄の副業みたいなところに比重が高かったです)が多かった多摩地域と比べるとスタンダートな話が多いかな、とは思えないでもないものの、もともとの神奈川の鉄道事情のが混線してるような気はしないでもないんだよね、東京の話も大概混乱してるけど、それでも山手線があって中央線があって、という一定のラインは存在してるからなぁ、市内交通は酷いけどw

で、神奈川の場合の市内交通はそもそも遅い東京よりも送れた横浜市電、どうも上手いこと機能しないまま他交通機関への転換もされなかった川崎市電。都市交通で全国最大の赤字幅を抱えているという横浜市営交通(地下鉄は仕方ないけどバスも苦しかったのか;)。

 

まあまず京浜間に今の東海道線が開いて、そこが今も王者というのは少しも変わらず、例えば横浜駅での乗り換えなんてのも京急も相鉄もJR乗り換えが圧倒的らしく、そこでがらっと客層が入れ替わるらしいんですが、それ以外の区間でJRが強いかと言ったらむしろ私鉄が圧倒的に優勢とか、私鉄では足りずにバス網による補佐が必須だとか。

貨物列車はかつての貨物駅の勢いはないものの、全国的な衰勢とは赴きが違ったとか。

そもそも常に一貫した人口上昇し続けている、という東京の事情の追随のような部分と横浜を中心にした独自性もあって、乗車人数なんかにも結構如実に表れてるし、川崎だと京浜工業地帯がずっと強く、私企業独自の貨物線とかきっと他で例少ないよなぁ。

南武線、青梅線五日市線、横浜線なんてのも当時の貨物の名残りですね、元は私鉄。

昭和になる寸前に東横線が開業して、昭和になって小田急線が開いて、その先にあったずっと古い観光鉄道とも接続して、学校誘致なんかもされて、という辺りが私鉄の沿線開発だと代表的なのかな、しかし、いつ見ても地味に強いな相模鉄道