「神社のルーツ-血統から探る「神様ネットワーク」」戸部民夫

神社のルーツ 血統から探る「神様ネットワーク」 [ソフトバンク新書]

神社のルーツ 血統から探る「神様ネットワーク」 [ソフトバンク新書]

 

 

この本で認識したのはどちらかというと神社にも血統があるんだなー、ということでしょうか、基本的に神話や宗教関係の記述ってのはよくブレがあって(歴史でもありますが、地域的に見ても最終的に決着を付けないほうがいいというのは違いではあるよね)(逆に初期の頃の記述の混乱が温存されるって意味では良いことなのかも)、本を選ばないと駄目かな、と思っていたんですが、さすがに神社のルーツそのものはそこまでブレもないねw

実際には分社関係の説明が食い違っていたり、もともとの祭神が違ったり、政治的理由で扱いが変わったり、などということもあるのですが、そこに軽く触れつつ、どのように扱われています。という部分に話を絞ってくれたのが逆に良かったですね。

ただ、さすがに量が量だけあってちょっとこの本で興味を持つのも難しかった気は。

 

都市の系統で最大の数を誇る稲荷神社(最初が言葉遊びみたいなところから出てるのかしら?)、個人的に興味があった海の系統の八幡神社が2位だっけ? これが確か源氏の時に戦神として広められたんですよね、同じく海の系統の最近行った住吉神社なども、微妙に最初の起源みたいなものが曖昧でそれが逆に地元に呼ぶには良かったのかなぁ、と考えてしまうんですがどうなんでしょう。

稲荷神社は渡来系の民族の秦氏のネットワークが大きな力になったらしいしね。

伊勢神宮とか熱田神宮とか、熊野三山、出雲系に金毘羅さん、天神さんなんかはどこがルーツかは置いておいて絶対的なネームバリューで少なくとも広まった理由なんてのもはっきりしてるんですが、数が多いわけでもないんだよね。逆に言うと、なぜ分社したのかってのもわりときちんと記録に残ってるような節もある。

権力と時代によっての神社の広まりなんてのも一回本読んでみたいかもなぁ、面白そう。