「信託の知識」川崎誠一

友人と明治くらいからの銀行の話をしていたらば「信託銀行のすることって一種慈善事業みたいなところがあるからね」と言われて、興味を持ったものの、あー、日本とかアメリカの話じゃなくてイギリスの話っぽいね、この部分は。
それこそ報酬目当てですらなかったり、教会が代行してるみたいなことが語られていたんですが、日本に入ってきた信託制度は多分アメリカ寄りで財産管理みたいな意味が大きいんじゃないのかなぁ、財産管理という意味でも正直あんまり浸透しなかったので、信託銀行そのものが非常に数が限られているよ、というのはよくわかりました。
投資信託はむしろあまり知識がない人にも入りやすいとは思うものの、信託銀行そのものへの信用が造成されていない状態ではちょっと現実的ではないんじゃないかなぁ。
どちらかというとラスト辺りに語られていた、遺言信託が、どうせもともとプロに頼まなくてはならないケースが多いってことを考えると、案外上手く行くんじゃないかと思うんですけどね、信託銀行とそれ以外の業種が連携して自治体なんかも絡んでの広告みたな、と思い出してますが、ちょっと見た時点で「お、ありかも」って思ったもん。
(私が見たのは私鉄と私鉄系の不動産業者が信金と自治体と連名で出してた広告なんですが、一つ信用出来る会社が関わってたらいいと思うんだよねあれ。)
(で、その遺言信託の財産を投資に回すってのも、ある程度固い範囲だったらいいんじゃないかって気もします、日本の信託銀行はもともとそこまで無茶してないし、元本保証がある場合とか特にね、遺言信託なら利回り少なくても別に問題ない。)

そこそこ面白かったんですが、しかし私が知りたいことはこの流れじゃないかもなぁ、初期の財界の資金の流れそのものを見ないと駄目なのかも。