「金工史談 続篇」香取秀真

特に面白かったのが「掛仏」という神社に飾られた仏の像と(多分鏡から発展したんじゃないかなー、ということが解説されてましたが、まあ、技術的な観点から述べられてるんだろうね)、東大寺が二度目に燃えたあとに大勧進になった重源やら栄西などの行動がわりと広範に語られていた辺り。
そういやあれですね、私、重源さんが高野山の出身ってのは始めて聞いた気がします。
この焼けたのちの寄付を募った大勧進はわりと特殊な能力がないと出来なかった、あまり東大寺にはそれに向いた人がいなかったとは聞いていたんですけどね、で、、栄西も結構変わった人で禅宗を日本に最初に持ち込んだりしてる人ですし、油倉というところからこの大勧進の人材が来ていたとか、そういう手持ちの情報と組み合わせてみるのはなかなか面白かったんですが。
あれなんだよな、松永秀久とか陳和卿の辺りで筆がノリッノリになってしまい、ものすごい感情的に批判された内容が展開されていたものの、現代の視点から見るとあまり、その、詳しいというわけでもなさそうなのでだいぶ複雑な気持ちでした。
どういう性格してるのかが詳細に語られてもなぁ、なにが琴線に触れたのか…。
陳和卿は技術者として扱われてますが大陸中国の商人、松永秀久氏は裏切りで有名なものの、実際のところその場にいたわけではない記録が残っている人です、いやぁ。

まあ、実際のところはこんなにテーマ少ないわけではなく、各種の実際に各地に残る金属製品、職人、朝鮮半島やら中国の金属職人の歴史、とかなり手広かったのですがそっちは一旦受け取るところ程度かなぁ。
あ、あと大仏の鋳造に関しての考察ももろもろ、これはわかりやすかったですかも。