『日本の美術10 肖像彫刻』毛利久・編

肖像彫刻というのはざっくり実在の人物の像のようなのですが(初期仏教十大弟子なんかだとそれに近いような側面はあるよね、外見の特徴が描かれてるのが一人か二人しかいないのでどう区別するんだよという苦悩が見えるとかw)、読んでいる限りではほぼ仏像なんかと同じような扱いになっているんでしょうか。
中で全裸の像が存在し、尼僧が服を着せ替えて仕えるという習慣があった、と言われた時に「女性だからねー」と言いたげな言い回しがあったんですが、そうですね、私も女なのでそればかりは賛成したいと思います、女の発想だよね確かに!!

まあ、正直なところ最近ちょくちょく読むことが増えた比較的早い時代の名僧なんかが多かったんですが、例外として聖徳太子像が複数の年齢モチーフとして存在していたのもちょっと象徴的。
その中の童子像に、あるいは愛らしさを求めたのではないか、というのもちょっとにやにやしてました、うん、仏像でも艶かしいのたまにあるからね。
あくまでこの本は造詣や、時代や作り手側という事情がメインなので仕方がないんですが、良弁とか重源、行基などの像があったお寺の派閥などが触れられているとちょっと嬉しかった気もします(私が把握してるこの辺は東大寺関係)。
それとあと、これだけあると栄西いないの? と思ってしまったんですが、見落としていたり存在していたりしたら実にすみません、重源が東大寺の初代・大勧進、栄西は二代目です、禅宗を日本に伝えたほうで有名らしいですけどね。
聖徳太子もまあ、仏教伝来の立役者って言われてるし、かなり時代下らないと権力者はいないんですね、というか、あんまり存在知らなかったわ、この辺。