「「街道」で読み解く日本史の謎」安藤優一郎

前から何度か読んだことのある著者さんなんですが、庶民史寄りの人だよね多分(世田谷代官とあと小石川療養所の本を読みました)、で、正直街道の本は結構読んでいるんですがそういう本と比べて街道メインではない気はするかな。
個人的には経済や統治などに話を絞ったほうが良かったんじゃないかと思うんですが、秋葉神社と善行寺があんまり面白かったんで、まあ、これはこれでありなのかな。
さすがに初っ端の東海道と近代の話に関しては食傷気味だったけどねー、あれあちこちで何度も見てるからな。
とはいえ、手軽に読める内容なら別にこれはこれでいいのか。
 
秋葉神社というのは江戸時代に江戸の庶民に愛された火の神様で、この参拝のために街道が作られたというのも面白かったんですが、どちらかというとオチの「明治政府が鎮火神社を作った時に、江戸庶民にはそれが秋葉神社としか認識出来なかった」という話で突っ伏して笑う域で面白かったですww
しかもあれだ、秋葉原のあそこか、秋葉神社じゃなかったのねww
あと信濃のになんでも日本最古の仏像があったそうなんですが(そういう触れ込みで発見されたものですね、たまにある)、それが権力闘争の道具となってしまい、何度も何度も何度も持ち去られてそこに新しく善光寺が作られ…という歴史もなかなか。
いや確かに、善光寺って有名なわりにはなんかわかりにくいと思ってたんだけど、みたいな疑問が氷解したり、織田信長が街道沿いに統治を進めていくという構図もなかなか面白かったんですが、ちょっと半端でもあったかなぁ。
それと、戦場分析で街道視点というのもちょっといまいち、一時的な移動にすぎないしな。