『死者の謎掛け』#8 見えない人々

ブラジルの熱帯雨林には先住民族がかつて数多くいて、今は保護区となり、自分たちが「文明化」させようとして伝染病や争いやらを持ち込んでしまった結果。その中でもっとも勇敢で良心的なのであろう保護官は40年もの間、苦悩を抱えておられるわけですが。
どこがどのように“死者の謎掛け”だったのかだけはわかりませんでした。
あれ、いや、うーん、アンコール・ワットの時とやってることはそんなに変わってるわけでないんですが、さすがにどう見ても現在進行形の話でね。


まあ、時たま、善意の保護官たちにすら死人が出。
「死んでも先住民を殺すな」を標語に、というか地でいっておられるわけですよ。コルボ族がテーマだったようなんですが、本当に最後の、一番文明と馴染まない彼らに、一人の先住民の通訳さんが頭を殴り殺されてしまっていたりもするわけで。
それでも先の保護官さんは、その当の本人に向っても責めず。
武器を持っていくべきだった、それを使うためでなく、武器を持っていたら攻撃されるようなことはなかったのだから。と呟きます。ただきっと、先住民と向かい合うのに武器を使いたがらなかった気持ちがまるでわからないわけではないのではないか、だから、死んで何年も経っても民族と立場の違いがあっても親友と呼び続ける気もするのですが。


与えられるものはなにもなく、病気や文明が彼らを蝕み。
密漁者は堂々と横行し材木を切り出し、先住民をけしかけて保護官たちに向かわせ、時折彼らの内部で争そいあって死人を出し。
答えは出ないんでしょうが、保護官は今日も森に向われるそうですよ。