「ローマは一日にして成らず(上」ローマ人の物語1、塩野七生

正直、一体これで何度目の読み直しだったのか自体を失念してしまったというか、覚えていないのですが、興味がないわけでも(古代、あと宗教史が少し前までのメインでしたし、そう外れてはいないよね、ドンピシャではなくても)、面白くないわけでも(読みやすい本だと思います)ないのに、なぜか最初のほうの数冊で止まってしまうというか。
他にも、実はぽちぽちと読み途中の「歴史取り扱い書」があったりするのですが、どうも全体の事態が組織化、ないしはこう着化してしまうと飽きがきてしまうらしく、私。
そういう意味で言えば古代世界においてはそれこそ、ローマほどシステマティックな存在もないのでは、という気はしないでもありません。いい意味でも、多分悪い意味でも。
ただ、そこに至るまでの経緯が杓子定規かっていうとそんなことはないよね。


ギリシャ系のポリス(横のつながりの薄い植民都市)が全盛の頃? に生まれ。
イリアス』に続く『オデュッセイア』の時代に旅立った者ら、の子孫を名乗るが故に記録に登場するまでに5百年くらい空いていても気にしない、その間をつなぐ神話を作ったのでは、と語られているのですが、あー、、、初期のローマならそのくらいは、うん。
雌狼に拾われ、育てられたという兄弟、レムレスとロムスの神話が起源。
ローマの地がいかに東西交流の発信地となりうるか、ということが謳われているそうなのですが、実際にその頃にいた商人も、戦闘の強い民族もローマに興味を示した様子がなく、かなりゆーっくりと台頭してきた模様なんですが。
その段階でいくつか行なわれた「後から来た民族を完全に対等に扱った」ということが全ての始まりだったのでは、ということがこの巻の骨子なのかなぁ、と思っています。
本の後半には、ギリシャ系のスパルタ(最強)とアテネ(文化)も少し、以下続々巻。