『食彩の王国』#184 茗荷

ミョウガ−Wikipedia


宿屋の主人が大金を持った客に、その金のことを忘れさせよーと大量に食わせるという落語かなんかがちょっと有名なんではないのかと思うんですが(しかしどこで聞いたんだか思い出せない、実際知ってる人がぽちぽちいるのに)。
それはお釈迦さまの弟子の説話が元で成分関係ないそーですよ。
自分の名前がどーにもこうにも覚えられず、名前を書いた札を下げたら札の存在を忘れ、しまいにゃ死ぬまで自分の名前を覚えられなかった男の墓に咲いた花なんだそーで。
名前を荷う男、みたいなニュアンスで茗荷。


まー、基本的にはあれですね、薬味として用いられることが多く。
和風ハーブの一種というか、香りに集中力を促す成分なんてのも入ってるそうな。
単独の食材として用いられることもあるんですが、やっぱりちょっと味が濃いというか、たくさん食べるというのはピンと来ないかもしれないです。


普段食ってるあの赤い塊は花、というか蕾。
夏の終わりから秋に掛けて、秋の到来を告げる食材で、春には“みょうがたけ”という茎の部分を食べることもあるそーな、あ、そっちは食べたことないかも。
ちなみに東京の茗荷谷、茗荷坂という地名は実際に昔ミョウガがたくさん植わっていた土地だからその名前なのだそーで、江戸時代にはその辺にも奇麗な水があったそうなのですよ。『魏志倭人伝』にまで載っていたという由緒正しい食材だそうっす。