「ホワイトハウスとメディア」佐々木伸

日本で出版されている海外の本だとありがちというか、まあ、それ自体は必要なのかもしれないとは思わないでもないものの、正直2国間の対比ともなると、それがどちら側の是にしろ否にしろ、やたらと主張されるとだんだんうんざりしてくるものなのですが、この本はバランス良かったんじゃないかなぁ。
要するに日本の記者クラブは排他的だと言われてはいるけれど。
それはあくまで入り口が狭い、という意味であって、なにか重要なことが起こった時に他国メディアを締め出すなんてことはわりとどこでも行われているし(逆に日本では公式の場には入れてくれるんだよね、とも、そもそも自分が信用してる記者に情報を流すなんてのは正義ではないにしろ必要悪とかその程度のことだしね、どこでも)、ご用記者なんてのはまあまあどこでも似たような問題はあるよねとか。
アメリカのメディア・コントロールに関してもわりと有名ではないかと思うのですが、良いにしろ悪いにしろなんかちょっとやりすぎ、とは傍目に見ていて思うよね。
一番大きな窓口の部分までは誰にでも入れてくれるものの。
その後何年通おうが扱い同じ、とアメリカの側の事情を挙げ、日本だと長年の付き合いってのは反映されるからその点に関してはいいんじゃないかな、とのことでした。
あと、いわゆる初めての相手には尻込みするけれど、別に特定の相手を締め出す、ということもよほどのことがない限りしないというのも評価されていました。


どっちかというとアメリカの事情は極端なのでわりと知られていて、そこを日本のマスコミを取り巻く環境と比べて日本の側を描き出すという本だったとは思うんですが。
それでもこのタイトルとしても意味があったんじゃないかな、面白かったです。