「日本の私鉄3 阪急」カラーブックス・第1シリーズ、高橋正雄/諸河久

この本を読んでいて何故か思い出していたのが関東私鉄、品川系の京急で。単に鉄道施設という意味だと、京急はスピードに拘るし、阪急は内装に非常に拘り、性能は二の次、古い車両を長く使い続ける、ということで対極という気もしないでもないんですが、それがもともと沿線の事情によるものだ(阪急は自社でブランドイメージの強い沿線開発、京急は平行線にJR、住宅街を蛇行するために競争力が必要)、ということから考えるとずっと戦略を変えてない部分であるいは共通するものがあるのかな、ということも読みながら考えていたんですが。

ひょっとしたら単に、著者さんがやたらとクールに実情を述べてるだけって部分に既視観があっただけですかもw

「阪急マルーン」と呼ばれる独特の塗装があって、車内はアルミ車両になってもかつての木目調の内装を守り続ける、という辺りがいかにも特徴だと思うんですが、触れてはいるけど特に力まずにさらっと流してるだけというか。

塗装に関してもあれだ、アルミだけど塗装したら昔と変わらない外見になるんだ、すごいだろう、というような言い方してて、要するにマルーン色に拘ってるという部分はもう当たり前みたいに流されているというか。

 

わりと熱心なファンがいる会社だと思うんですが、もはや拘りを力説するまでもない、と考えてそうなのはそれはそれでなかなかのものなのかもしれません。

うんまあ、さすがに知ってるけどね、鉄道マニアだったら全国区で聞いてるし、近隣の人なら沿線民でなくてもマニアでなくてもなんか知ってるよね。

いかに自分の特色を残すか、ということをずっと考えていけるのはいいことかしら。