「駅のはなし−明治から平成まで」交通ブックス104、交通設計駅研グループ
読んだのは1994年の第1版(どのくらい内容違うのかね? 1997年の2版は図書館に別個に入ってるんですが)だったんですが、なんていうのかな、個別の駅についてその特徴を語る部分よりも時代ごとに駅の使われ方や受ける印象がどのように変化していったのかという流れの部分に焦点が当たっていたような本の作り。
個人的に無個性の駅舎が、という類の拘りや語りはあまり好きでもないんですが、こういう徹底して使う側の視点に立っての上だとそれはそれでいいような気もします。
あと、逆に新幹線の時代になって、どうしても機能上で駅が巨大化するためデザインに意匠を凝らすことが出来ず、そのために用さえこなせればいいという発想が一般化してしまったものの、その実用一辺倒であるが故、陳腐化などはしなかったよ、ということを述べておられるので、あ、公平だな、と思うことが出来たしねー。
嫌いとまでは言わないんですがあんまり個人の拘りを前面に押し出された「だけ」だとだからどうしろというのかわからなくて建設的じゃない気がするんですよ、背景をきちんと述べてくれる分には著者さんたち自身の意思が感じられるほうがむしろ楽しいよね。
創業時代から鉄道院、鉄道省、戦後の駅の民衆化、新幹線の時代、駅ビルの誕生、JRの時代、という順になっていて基本的には国鉄かJRがメイン、東急の田園調布駅なんてのは出てきてたような気もしますが、だいたいは有名な駅というか大きな駅、開業時点の新橋、横浜に初期の大阪、京都。鉄道院時代になると東京駅(遅かったんだよ)。
鉄道省時代になるとそれこそわらわらっと、気になるところだと原宿駅とか名古屋駅とか。
知らなかったんですが東京駅って八重洲口駅って名前で呼ぶんですねw これは戦後の章で、あとは新宿のルミネ2、図書館や温泉のある駅とか、まだネタありそうだよね。