「新宿学」戸沼幸市/青柳幸人/高橋和雄/松本泰生

そもそも江戸時代に徳川の私道として作られた甲州街道の、他の4宿から60年ほど遅れて浅草の商人たちによって開かれた「新宿」は、みたいなことは歴史の本を読めば結構書いてあるものなんですが、というか、ざっくり最近読んでる範囲を超えるような内容が特にあったわけでもないんですが、あれこれ違うジャンルを横断して説明してくれてる本だったのでもう少し前に発刊されていれば、という思いでいっぱいです。いつものことだけど!

目新しかったのは「内藤新宿」の内藤家に関しての記述かなー。

新宿そのものを内藤氏の土地だからだと思い込んでいたんですが(いつかっていうと近所なので、わりと普通に内藤新宿って聞いてるんですよ)、そうじゃなくてどうも新宿を作る時に土地を売ってくれたのが内藤氏だったようで、新宿御苑も一時内藤家の植物研究所だったのがその後国有化されて今の状態になったとか。この地にいた大名は基本的に新宿を離れたものの、内藤さんだけ今も残ってるよん、とか。

そういや『ブラタモリ』にも出て来られてましたが、なんかいいなぁ、そういうの。

 

今の山手線(日本鉄道)、中央線(甲武鉄道)、で東京市電に京王線、西武軌道っていう路面電車の順でこの地に来て、関東大震災の頃に西口に三越、ほてい屋、伊勢丹伊勢丹とほてい屋くっ付いちゃいますね)、京王のデパートもあったんだよん、とか、昭和に入ると小田急がやってきて、戦後になると地下鉄の丸ノ内線西武新宿線

東口は内藤新宿の頃から半公認の花街だったり、そういう暗部がこの地に鉄道がやって来た頃に少し奥まった二丁目に追いやられたり、戦後には赤線という合法の売春宿になったり、闇市が出来たり(東口)、露天商が出来たり(西口)。西口は淀橋浄水場の跡地が再開発されたり、ずっと忙しく、ずっとどこか猥雑なんだよね、新宿って。