「全国「一の宮」徹底ガイド」恵美嘉樹

全国「一の宮」徹底ガイド (PHP文庫)

全国「一の宮」徹底ガイド (PHP文庫)

 

 

そもそも「一の宮」とはなんぞや、というところから話を始めなくてはならないようなのですが(すみません存じ上げませんでした、いや、この言葉自体は聞くんだけどなんとなくどういうものかってことまで考えなかったんだよね)、どうもそこまで明確な定義があるわけでもないらしく、複数の社で争っている地域もしばしばあり。
一の宮がごく普通の神社として埋もれているすぐ脇で有力神社がわらわらあったり、祭神も結構曖昧な事情で変わっていたり、中央から現地にそぐわない信仰を押し付けられたりとか、やっぱり結構生々しいものなんですねw
で、この本は自分の関係した土地の旧国名や(結構聞くんだけどどこかって把握してない場合もあるよなぁと、なんとなくはわかる感じ)、有力神社もいくつかしか知らず、八幡神社などの祭神などもろくに知らない程度の状態でこの本を手に取ったんですが、興味だけあればなんとか押し通せる気もしますね。
きちんと駅が近くに作られてる場合と、延々見渡す限り線路らしきものがなくて近くの国道のみが地図に描かれていたりとか、山の裾野までは行けますよ、という地味な地形や地域による違いも結構面白かったり。
(どうせなら現代の交通事情なんかに関して語ってる本も読みたいなぁw)

 

印象的だったのは朝鮮半島から帰って来た応神天皇が持って帰った軍旗が元という八幡神社武家が結構信仰してて地域に割り込んでることが多いとか。やたらと頻出するオオナムチ=オオクニヌシなんかでしょうか。多分これ、土地土地の英雄の総称だろうね、とさっくり。
東北の地は奥地に外敵を睨み続け、九州は従ってるようで独立独歩、これ何者? みたいな祭神もいたりとかで、なんかそのちぐはぐさが面白い内容で良かったなぁ。