『週刊 東洋経済』2014年7月26日号「中間層への警告」

 

ここで出てきたピケティ氏が『21世紀の資本論』の中で言ってるのは能力のある人間がその能力を生かすよりも「銀行家の娘」と結婚することのほうが得であり、相続の有無で人生が決まってしまうのならばそもそもその社会そのものが発展しなくなる(人生そのものが完全に運になるしね)、という話だと思うものの。
金持ちが貧乏人を搾取する、ということでリベラル層以上には批判され、それ以下の人間には資産家攻撃の理論として世界的に受け入れられた、ということでいいんだよねこれ?
まあ、アメリカン・ドリームそのものに特に親和性がないものの(だってアメリカのイメージって私の世代だとジャパン・バッシングだしなぁ)、昔より柔軟性がなくなったってのはその反応を見るだけでも明らかなんじゃないのかなぁ。
そして日本の場合は所得格差が広がったわけではなく、全ての層の所得が減っている「皆で転落社会」であり、中間層への警告という特集タイトルになっているのも貧困層は自覚出来るけど、隠れ貧困層は自覚するのが難しいという話だそうです。
あれだな、女より男のほうが気付きにくいとか、1千万円前後の所得だと気付きにくいとかの記事と基本的な構造は一緒で、要するに日本の所得が落ちてるんですね。

そしてその上で特集外の人手不足の話とつなげて考えると、そもそもインフラの担い手そのものが人材育成や労働環境改善(SEはさすがに酷すぎて改善されたみたいな話あったけど、知り合いレベルでまだ酷い人もいるよなぁ)(ただ一時期ほどでもないかも確かに)を怠ってきた上での構造的な問題らしく。でも多分資金的余裕はもうすでにない。
せめて賞与以外のところで待遇を良くする方向にいければマシなんでしょうが、普段から読んでいる記事の「人間がいないことが理解出来ない層」が頭を過ぎり…。