「中世のみちと都市」日本史リブレット025、藤原良章

中世のみちと都市 (日本史リブレット)

中世のみちと都市 (日本史リブレット)

 

 

そんなに悪い本ではないと思うんですが、というより、わりとわかりやすいわりに資料の解説が不十分というか、自分で触れていたこと忘れてしまうようなところあるよね。なんとなくテーマがぱらぱらと散逸していたような。
あと、中世のみちと橋が主で都市がほとんどと言っていいくらい出てこないw
あるいは橋の両側に町だとか宿があるのかな、という気もしないでもないんですが、だったらそういう文脈で触れて欲しいよねぇ。ただ本の中で検証していた「何枚かの板を渡しただけの簡易な橋」であっても主要街道では普通にありえた、という部分に関しては特に疑う気はないかな(少なくともそういうところがあってもいいと思う)、二橋や八橋などの名前から板の枚数ではないか、と推測して街道ルートを辿ろうとしていたのも面白かったんじゃないか、と思うものの。
そもそもの街道の専門家でないのかどうも全体的にぶつ切れだったんですよね。
本の中で語られている中で源義経と弁慶絡みの橋の辺りのあれ、多分最近時々語られているところの「鎌倉街道」なんじゃないかなー、と思ったものの、そもそもそういう単語で語られてもいなかったしな。いや、単語の使い方そのものを他所に習わなくてはならない、ということではないんですが要するにあちらの研究とは合流してないって話だよね。
とはいえ、2005年の本だとその時期にどこまで進んでいたのか謎。
それこそこの著者さんがこのあと、そこと一緒になってやってるかもしれないしなぁ。

東海道はそもそも何度も変化した、ということは聞いているのですが、時期によっての研究なんてのもまだそこまで進んではいないんだろうな、橋との関係によってとか、それが地名に残ったとか、面白いと思うんだけどこの本自体が研究手法みたいな本よね。