『日本の美術431 日本刀-藤澤乙安コレクション』広井雄一

一旦丸々2冊分のブックレビューをざくっと消してしまっていたんですが、雑誌分類で特集一つのみを扱った体裁で、至文社の発行ですね。で、ここの特集名に掲げられている人物が何者か、というのは私だと残念ながら存じ上げないのですが、まあ刀剣業界という意味では市井のコレクターということでいいんじゃないのかな。
刀剣博物館を運営している財団に寄付されたので、それを記念しての特集号。
まああれですね、誰にも渡すなと言われたけど相続税キツいのは仕方ないよな!!
ちょっと面白かったのが刀目利きでよく名前を(歴史人物とよく並列で)お見掛けする本阿弥の末裔の方が出てきてらしたんですが、人工砥石のどこが問題なのかと聞かれても使ったことないのでわかりません(批判もなにもなくただ使ったことがないだけ)とか、足利将軍に本阿弥の名前を与えられたとか、なんとなく雑い。
肉付きが薄いほうが見栄えがするものの未来を考えると残しておかないとならない、研ぎはたくさん削るほうが時間は掛からないものの削いでしまう、とか、なんか皆スローペースでずっと未来の話してるんですよね。現代人ぽさがない。
歴代の本阿弥さんたちも刀や芸事以外に関してはこんな感じだったなぁ、あんまりなんにも否定も批判もしないんですよね、今でもそうなんだなww

あとどうも美術品の分類から歴史を語るタイプの方だったと思うのですが、時々今まで見たことがない記述があって、私レベルだと困ることはあったものの、刃文に関してを歴史と地域から語って分類してくれてたのがわかりやすくて良かったかも。
ひたすら分類されてもよくわからないよね、何肌がどこそこ、みたいな物から語ってくれてその本体の所属という順番はやっぱりわかりやすいよな。