「スレートと金属屋根-近代の屋根変遷史」INAX album.5、石田潤一郎

スレートというとこの本の中でも出ていた藤森照信氏が「硯と同じ材質なんだって!!」と興奮していたことと、あと東北で震災の時に流されていたことと、それが東京駅の屋根に敷かれることになったよー、ということくらいなんですが。
とりあえずあれですね、日本になんで金属屋根やスレート(これは粘土を焼き上げたものって認識でいいのかな?)の屋根が普及しなかったのか、というのは、スレート屋根が作ってる最中から風に吹っ飛ばされ、鉛は良かったものの色味がとても地味、鉛よりも安く加工もしやすい亜鉛酸性雨と噴煙と「猫の尿に弱い」らしく。
などという説明を順番に聞いていくとなんとなく、気持ちが挫けてしまったんじゃないかなって、ちょっと思いました、あと雨に耐えてもなんか音が煩そうじゃん日本!!
ていうか屋根が近いんですよね日本、なんとなく全体的に仕方なかった気もします。
東京駅がなんでスレート敷きになったのか、という話を聞きたかったんですが、復原よりもはるかに昔の本だと仕方なかったかもしれません。明治がほとんどのこの本の例を読んでいて改めてつくづく感じてしまったですが、なんでスレート敷きなんだろう? あと当時はコンクリートが主流のはずなんですが、煉瓦造りなんですよね。
煉瓦造りなのは建築家が決めていたはずなんですが、屋根素材はなんだったんだろ。

この本はINAXの出してる建築関係のシリーズの一つみたいなんですが、建築様式や建築素材に関して単独に扱ってる本は珍しいのでちょっと期待してみたいです。あんまり図書館に揃ってないんで残念なんですけどね。
しかし技術上の難のない鉛素材の屋根はちょっと惜しかったな、まあ、欧州より日本のほうが光が淡いって言われてるので、それで日本だと大人しすぎたのかもしれないなぁ。