「エアライン戦争」別冊宝島社編集部・編

2000年の刊行なので14年前なんですが、その間の違いと言ったらこの本の中でも危ないと言われていたJALの破綻、それからのちの再生(危ないと言われてなかったところが特にないので語弊がありますが、NWとかスイス航空やルフトハンザくらいかな、褒められてたの)(むしろちゃんとした航空会社は巻末くらいでしか取り上げられてなかった、と認識したほうが正確なのかもしれません、人気の会社と経営方針がしっかりしてるかどうかって連動してるものなんだろうな)。
あと「オープンスカイ」とそれと連動したLCCの就航でしょうか。
私はこのLCC以降にしか興味がなかったんですが、なんとなくこの本を読んで理由を再認識したような気もします、暗い、とことん暗い。単に旅客が少ないとかそういうところに留まらないこの労働環境の酷さ、日本の企業はアルバイトのスチュワーデスを増やし続け、数年で意思が芽生えないように効率よく使い潰し、パイロットは子会社に出向させて意見を言えないようにしてから使い潰す。

そして待遇はどんどん悪化していって、送り迎えの制度から危うくなるという。
そりゃ、普通の職業なら送り迎え完備って贅沢かもしれないけど、交通系で15kgの装備持ってる人の送迎って必要経費なんじゃないの、どうなってんだよそれ…。
アメリカではすでにこんな職業、みたいな言われ方してたからまだしもだと思うんですけどね、単純に労働時間が短くなってるとか、理に適ってる部分もあるし。
日本の場合、憧れの職業のままで、お客から要求されることが多く、経験が不可欠なのにも関わらず待遇の部分だけアメリカナイズされるってのもなぁ、うーん。
格安航空のほうがすっきりしていてむしろ生き生きしてるっての、根が深い問題だよな。