「B1デパート物語」吉田菊次郎

そもそも今は百貨店の食料品売り場のことを「デパ地下」と呼ぶくらいの定番になっていて、実際国内のほとんどの百貨店ですと(地方百貨店だと違うこともありそうな気もするんですが、結構フリーダムな展開してるよね)事実上地下1階になっていることが多くて、はて、海外の場合は、ということを見てみると1階が多め、地下というケースもあって4階より上ということはない、と、ある程度の共通因子はあるものの必ずB1でもなく。
そういうことを考えると日本の百貨店がどうしてあそこまで紋切り型なのか、ということの答えも薄っすらと理解出来るような気もするのですが、あくまでも地下のその食料品テナントの一員である著者さんはそこまで踏み込まれることはありません。
正直、その態度自体は不満もないんですが、具体的にどこそこの有名店舗が日本のこの百貨店に入ってます、本店がなくなっちゃってもう日本だけ! ということを語られているページのほうがよっぽど楽しかったので向き不向きはあるかなぁとw
(別に百貨店の欠点とか扱いたい方ではないんだろうね、ただ、傍目にもちょっと行き過ぎてるとは思うんだよね、記憶に残らない見分けられない百貨店店舗って結構ある。)


百貨店のバックヤードのカオスっぷり、それでもあるだけマシ、とまで言われる構造、イベントの前後で極端に人が動く売り場展開(と、多分そのせいで怪我をしてしまったのだろうアルバイトの売り子さん)。時期それぞれの百貨店の仕掛けるイベントも、なんだろう、そもそも具体的にどの百貨店かって出てこないんだけど、全部一緒らしいんだよね…。
信用が大事、紋切り型であっても存在する安定感、というのはわかるんだけど、やっぱり詰まらないっちゃあ詰まらないんだよな。でも私、巻末の菓子屋さん廻ってみたいなと思うんですよね、面白そうじゃない、なんだろ、なんかズレて来てるんだよなぁ、惜しい。